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月岡芳年 芳年略画 天狗之世界

 3月2日に練馬区立美術館で開催中の「電線絵画展—小林清親から山口晃まで—」に行きました。
 展覧会では美しい風景・人物を描いた作品を展示することが多い中、とても身近な存在であり時に厄介者扱いされる電線を描いた日本画を集めたユニークな展覧会でした。その中から月岡芳年の「芳年略画 天狗之世界」を紹介します。

月岡芳年 芳年略画 天狗之世界 (2)

 この展覧会は江戸時代から現在にいたるまでの作品を展示しております。日本の美術史をなぞるような展覧会でもあります。
 電線についての解釈は画家によって異なりますが、ペリーが日本に持ち込んだ電信のデモストレーション風景、明治時代における「最先端」の象徴としての電線、大正時代以降は風景の一つとして作品に溶け込んだ電線が描かれています。
 現代人は小林清親の作品を見て古き良き東京、失われていく江戸風情を感じるかもしれませんが、明治時代の人は最先端な風景を楽しんでいたと思われます。

 さて、数ある作品の中で月岡芳年の「芳年略画 天狗之世界」を選んだのはただ単に月岡芳年が好きだからです。
 明治時代に郵便制度に合わせて電信が始まりました。これは今でいえばインターネットの普及に相当する位のインパクトがあったと思います。
 Ubereatsの配達員が現在を象徴するものであるように、郵便配達員も当時は時代を象徴するものの一つだったようです。
この図は飛脚と郵便配達員を描くことで時代の変化を表したようです。でも富士山と電線はいまでもミスマッチです、、、、

 この展覧会は4月18日まで開催されています。
 このブログで紹介した練馬区立美術館の展覧会の記事もどうぞ!
国芳もやう正札附現金男 野晒悟助
歌川芳艶  太平記焼山越之図
しりあがり寿の現代美術 回・転・展
谷中安規 大川端
船田玉樹  臥龍梅
磯江毅 新聞紙の上の裸婦
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西福寺と豊島若宮八幡社

 前回の西福寺の続きです。

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 中門から本堂に進むと、極彩色の阿弥陀如来様がいらっしゃります。
 古寺で見る仏像は長い年月で装飾が落ちた状態ですが、本来はこのようなお姿のはずです。この阿弥陀如来様は戦災で焼けたご本尊を復元したものだそうです。

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 中門と本堂を結ぶ回廊には庭園があります。

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 阿弥陀如来様の裏手も庭園になっています。
 回廊の庭園は深山幽谷と浄土をコンパクトにしたような雰囲気ですが、こちらは大地の始まりを感じるようなダイナミックさがあります。北区のお寺巡りはお隣の台東区と比べると地味な印象ですが、谷中界隈にあるお寺にひけをとらない魅力があります。

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 西福寺から見て足立区寄りにある豊島若宮八幡社です。

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 馬練習中に誤って荒川に溺死したといわれている豊島清泰の霊を祀る神社とのことですが、豊島清泰は伝説の人物らしいです。
参道はなく児童公園の中にあります。
 このブログでは街角の小さな神社をよく紹介しています。最初は子育てで休日に寺社巡りしづらくなった苦肉の策で、会社の行き帰りにそのころの通勤経路(日本橋、神田、深川)にある小さな神社を紹介したのですが、掘り下げていくと街の歴史がよくわかることに気づきました。今回も街の歴史を今に伝える神社を出会うことができました。

 西福寺は江戸六阿弥陀(実際は八阿弥陀)の一番です。このブログで紹介している他のお寺もどうぞ!
 無量寺
 昌林寺

アルベール・アンカー 少女と二匹の猫

 まもなくひな祭り、女子のお祭りの日ですね。そこで今回は美少女を描いた作品を紹介します。
 スイスの画家アルベール・アンカーの「少女と二匹の猫」と「髪を編む少女」です。いずれの作品も2007年12月に渋谷Bunkamura ザ・ミュージアムで行われた展覧会(日本初)で見ました。

少女と二匹の猫

 三毛猫は日本では珍しくない猫ですが、欧米では珍しいそうです。ということはこの絵もジャポニズムの影響下にあるということでしょうか?
 猫をかわいがる少女の作品として、以前、月岡芳年の「風俗三十二相うるささう」を紹介しましたが、この女の子はこの子より理知的なようです。真正面を向いている三毛猫が特に可愛い、理屈抜きでなごむ作品です。
 
髪を編む少女

 マザーグースに「男の子は何で出来てるの?カエル カタツムリ 小犬の尻尾 」「女の子は何で出来てるの? 砂糖 スパイス 素敵な何か」という詩がありますが、この作品を見ていると納得します。かわいいを通り越して美しいです。

 アンカーは17世紀のオランダ絵画を想起させる室内情景や子供、農民などの日常風俗で親しまれています。この画家が活躍した19世紀末は印象派や象徴派等、新しい画風・作品世界を作ろうと多くの画家がパリで活躍していました。 この画家も30年パリで暮らしていたそうですが、一貫して古典的な画風を保っていました。
 
 農民の日常風景を描いた同時代の絵といえばバルビゾン派と言われる画家達が挙げられますが、この画家は晩年に実は参加したかったと語ったそうです。かのゴッホも一目置いたと言われるアルベール・アンカー、展覧会で見る機会が訪れたら是非見るべきです。

西福寺 北区豊島

 2月11日に北区豊島にある西福寺とその近所にある神社をお参りしました。

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 まずは仁王門です。最近修復されたらしく色鮮やかです。

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 天井絵は優雅に舞う天女達です。最近のお寺は味気ない建物に作り直すお寺も多い中で、信仰心を起こすような修復をしたところが素晴らしいです。

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  仁王様です。上の画像の左側の龍の尾に注目頂きたいです。

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 風神様・雷神様です。線対称上に龍の御顔があります。門をくぐることで龍神様の胎内を巡ったような演出と解釈しております。
 このような意匠の門は大変珍しく、寺社にある龍の彫刻を愛でることが目的の方々には是非是非お勧めしたいです。
 
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 中門です。本堂とは廻廊で繋がっています。
 門前には中華風の狛犬様がいらっしゃります。お寺にある狛犬様(境内社にあるものは除く)は結構な確率で中華風の狛犬様が多い気がします。
 
 このお寺は聖武天皇の時代に創建されたという伝承がありますが、平安時代末期から鎌倉時代初期に豊島清光が開基し、清光が娘の菩提を弔うために建立した阿弥陀仏を祀っております。
 この阿弥陀仏は6体あるといわれ、江戸時代に霊場になりました。このお寺は江戸六阿弥陀霊場1番札所でもあります。
 
 北区豊島という場所にあることからお察しのとおり、この地は中世の東京を治めていた豪族である豊島氏の発祥の地です。このブログでよく登場する豊島氏の発祥地に前々から興味があり今回お参りをしました。次回は西福寺の続きと近所にある神社です。

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