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マルク・シャガール 婚礼 白い襟のベラ

10月3日に行った「パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展―美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ」では旧ロシア帝国出身の画家達の作品に惹かれたので前々回はウクライナ、前回はロシア出身の画家でしたが、今回はベラルーシ出身のマルク・シャガールです。

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上段は「婚礼」、下段は「白い襟のベラ」です。
マルク・シャガールはメジャーな画家ですが、このブログで紹介するのは初めてです。

「婚礼」は「色彩の魔術師」にふさわしくカラフルですが。新郎新婦以外の人物が影のようで、正直なところ不穏な雰囲気を感じます。
婚礼は心躍るものですが実際はこれからいかに困難を乗り越えるかという不安もつきまといます。愛の一言ではすまされない結婚の現実も描いていると個人的に解釈しています。また、ベラルーシ生まれではあるものの、諸般の事情で愛しい故郷を離れて暮らさざるを得ない切なさかもしれません。

下段は「愛の画家」にふさわしく、シャガールのミューズであるベラを大きく描いております。
仏教徒だからですが観音様のような有難みを感じる作品です。この展覧会は悪く言えば鑑賞者の技量が試されがちですがこの作品は前回、前々回と同様に理屈抜きで鑑賞することができました。
以上が「パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展―美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ」の感想です。会期はまだ続くので是非ご覧ください。
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アルフォンス・ミュシャ 四芸術 絵画  詩

 名画はある時は人生に指標を示し、ささくれた心を癒し、またある時は奮い立たせるものです。
 だからこそ展覧会に行くのが好きです。そこで今回は絵画鑑賞の素晴らしさが伝わる作品を紹介します。アルフォンス・ミュシャ の「四芸術 絵画」です。

アルフォンス・ミュシャ 四芸術_絵画

 ミュシャ の作品は心が華やぎます。
 冒頭で絵画鑑賞の素晴らしさを述べましたが、絵画鑑賞の素晴らしさの一つは幸せな気分になることです。
 この作品は幸運の象徴である虹が描かれているので幸せな気分になります、まさに絵画鑑賞の素晴らしさを称える作品とえます。

アルフォンス・ミュシャ 四芸術_詩

 さて、このブログでは四芸術の「舞踏」、「音楽」も紹介しています。今回は「絵画」を紹介しました。そうなると「詩」も紹介しなければなりません。
 「絵画」と違いこちらは内省的な印象です。絵画鑑賞により 自分の考えや行動などを深くかえりみることもあります。このことで新しい考えが湧いたり、悩みの解決策が思いつくこともあります。「詩」というタイトルですがこちらもまた絵画鑑賞の素晴らしさが伝わりますね。次回も絵画鑑賞の素晴らしさが伝わる作品です。
 

イヴァン・シーシキンとイサーク・レヴィタン

  Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「「国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア 」に因んで、しばらくの間はロシア絵画が続きます。
 ロシアは雪に閉ざされる期間が長いので冬景色を描いた作品に傑作が多く、またそのせいか春の訪れを描いた作品にも傑作が多いです。
 そこで今回は冬景色を描いた作品と春の訪れを描いた作品を紹介します。

 まずはイヴァン・シーシキの「冬」です。

イヴァン・シーシキン 冬

 イヴァン・シーシキンは、イリヤ・レーピンとイワン・クラムスコイと同様に「移動派」といわれるグループのロシア人画家で、風景画を得意としていました。

 凍てつくような、縛れる寒さが伝わる圧倒的画力は刮目です。静寂を閉じ込めた絵画は多くありますがこの作品がその白眉といえます。雪に閉ざされたロシア人にとって、この風景は特別な思い入れがあるのでしょう。

 続けて、イサーク・レヴィタンの「春、大水」です。
 
2018年12月31日21時50分58秒0002
 
 この作品はBunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「「国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック・ロシア 」に出展されています。
 春の訪れを描く場合、早春に咲く花を描いたものを連想するかもしれませんが、雪が溶け始めたら春です。雪が溶け増水した川を描いてますが、静謐な描写は春が少しずつ近づいてくる様を表しているようです。
  イサーク・レヴィタン(リトアニア)も「移動派」と呼ばれる官立美術アカデミーの制約に抗議したロシア・リアリズム美術の画家集団が活躍していました。この集団はロシア各地を移動しながら展覧会を行っていたので「移動派」と名乗っていたそうです。
 

レンピッカ 「ピンクの服を着たキゼット」と「緑の服の少女」

  
 先日、ジョン・シンガー・サージェントの「 フィスク・ウォレン夫人(グレッチェン・オズグッド)と娘レイチェル」(こちら)を紹介したところ好評でした。
 そこで母と娘がテーマの絵画は他にないかと思い探してみたら、レンピッカとその娘キゼットを思いついたので紹介します。

 ピンクの服を着たキゼット

 「ピンクの服を着たキゼット」です。
 ピンク(といってもかぎりなく白い)の服は少女特有の初々しいエロスを引き立てます。西洋ではくつをぶらぶらさせるしぐさは誘惑を表すそうです。この誘惑はじわじわ魅かれていきます。小悪魔とはこういう子を言うのかもしれないです。

2017092521190755.jpg
 
 「緑の服の少女」です。
 この作品では大人な色気を堂々とした姿で描いています。いずれの作品も少女の肖像画は可憐、清楚という概念をぶち壊して挑発的です。レンピッカはこのような作品を通して、「なんだかんだいっても私の生きざまに魅かれてるのでしょ!」と言い放っているのではないかと思ってます。

 さてはレンピッカはいろいろ多忙で娘のキゼットとも滅多に会わなかったそうですが、この2作品以外にも娘を描いた作品は通あります。一見冷淡な母のようで、凡人には理解しがたいですが、これはこれで愛情の形だったのではないのかなと思います。

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