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コロマン・モーザー 洞窟のヴィーナス

東京都美術館で開催中の「レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才」ではエゴン・シーレ以外のウィーン分離派の画家達の作品も展示されています。今回紹介するのはコロマン・モーザーの「洞窟のヴィーナス」です。

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コロマン・モーザーは日本ではマイナーな画家ではありますが、絵画、インテリア、家具、ステンドグラス、本の装丁、ポスター、ファッションデザインなど様々な分野で活躍した才人です。見た目も優しいの色彩、ヴィーナスの健康美は気持ちが華やぐと同時に和みます。

今回の展覧会の主流はエゴン・シーレですが、総括すると良くも悪くも刺激的で挑発的でした。印象派と異なり見て気持ちが華やぐものではありません。また、ゴッホ並みに強烈なパワーに吸い込まそうです。
そのような作品を見ていると素直に綺麗と思う作品を見て落ち着きたくなります。そんな作品がこちらの「洞窟のヴィーナス」です。是非ご覧ください。
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エゴン・シーレ 装飾的な背景の前に置かれた様式化された花

エゴン・シーレはグスタフ・クリムトの影響を強く受けております。今回紹介する作品は特に影響が顕著な作品です。

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グスタフ・クリムトといえば金を多用する作品で有名ですが、シーレは銀を多用したそうです。そんな作品として有名なものが「装飾的な背景の前に置かれた様式化された花」です。
 
私には古木から生えた新芽に咲く花に見えます。シーレはウィーン美術アカデミーの保守的な雰囲気が嫌いだったそうです。この作品は新しい芸術を生み出そうする所信表明といえそうです。

若くして亡くなりましたが、よき師に巡り合い、戦争に駆り出されたけど理解のある上官の配慮で前線に立つこともなかったそうです。
描くものが過激で不穏ではありますが、実際は魅力的な人物だったと思います。次回はこの展覧会に出展されたエゴン・シーレ以外の画家の作品です。

エゴン・シーレ ほおずきの実のある自画像

東京都美術館で開催中の展覧会の目玉は「ほおずきの実のある自画像」です。

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自身に満ちた表情で鑑賞者を見下ろす構図が印象的です。自信満々だけどちょっと恥ずかしてく斜に構える姿に親しみを感じますが、成績のよい若者にありがちな上から目線も感じます。

薔薇とか百合とか美しい花がたくさんある中でなぜほうずき?と思いました。
ほうずきはヨーロッパでは食用されており親しまれている食材のようです。才能に満ちた若者は周囲から浮きがちで本人も周りを見下しがちですが、実は好かれたいという思っていることはよくあること。だからあえてほうずきにしたのではと思います。

さて、エゴン・シーレといえば過激な裸婦像です。そんな裸婦像も展示されていましたがネットに載せるのは憚ります。「性」は魅力的で生命の源なのに丸出しの性器はなぜタブーなのか?性の二面性を考え込んでしまいました。次回もエゴン・シーレの作品です。

このブログで紹介している「指を広げている自画像」もどうぞ。

エゴン・シーレ 悲しみの女

2月3日に東京都美術館で開催中の「レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才」に行ったので、しばらくの間、この展覧会で見た作品が続きます。まずは「悲しみの女」です。

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展覧会での解説には画面左上の赤髪の男性はシーレ本人。ヴァリー・ノイツェルは赤髪の女性のため、あえて自分を赤髪に書くことでヴァリー・ノイツェルの思考は自分が占めていること示しているそうです。つまり彼女と僕は一心同体という意味でしょうか?
なお、モデルの女性は1911年から15年にかけてシーレの恋人であったヴァリー・ノイツェルです。シーレの師匠であるクリムトの愛人であったそうです。

数ある作品の中でまず「悲しみの女」を選んだのは、私が尊敬しているブログで紹介されたさいに、眼差しに惹かれ、実物を是非見たいと思っていたからです。今回その希望が叶いました。
悲しくて泣いているものかもしれませんが、泣くという行為も悩むを解消するそうです。二人でいろいろな苦悩を乗り越えようという意思表示と言えるかもしれません。

※ ググると「哀しみの女」でもヒットしますが、展覧会の公式サイトに合わせて「悲しみに」しました。

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