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テート美術館展 ターナーの作品

国立新美術館で開催中の「テート美術館展 光 —ターナー、印象派から現代へ」の話の続きです。
今回はターナーの作品を4点紹介します。

テート (2)

「陽光の中に立つ天使」

テート (4)

「湖に沈む夕日」

テート (6)

「陰と闇-大洪水の夕べ」

テート (8)

「光と色彩(ゲーテの理論)-大洪水の翌朝-創世記を書くモーセ」

これらの4作品はテート美術館で見た覚えがあります。だから先日紹介した2作品以上に再会に感激しました。

4作品を見て感じたのは光が渦巻いてることです。「陽光の中に立つ天使」は後光、「湖に沈む夕日」は空気の流れ、「陰と闇-大洪水の夕べ」と「光と色彩(ゲーテの理論)-大洪水の翌朝-創世記を書くモーセ」には宇宙の中心を感じますが、共通して光が渦巻きながら一点に向かっているように見えます。
まるで渦を巻く銀河のようです。ターナーがいた時代に渦巻銀河の存在が知られていたかは分かりません。印象派の画家は粒子であり波である光の性質を直感的に描いたと別の記事で私見をのべましたが、ターナーは宇宙の姿を直感的に描いたのかもしれません。
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テート美術館展 露に濡れたハリエニシダ 愛と巡礼者

7月29日に国立新美術館で開催中の「テート美術館展 光 —ターナー、印象派から現代へ」に行きました。
しばらくの間はこの展覧会で見た作品が続きます。まずは再会が嬉しかった2作品です。
「露に濡れたハリエニシダ」は2008年にBunkamuraザ・ミュージアムで、「愛と巡礼者」は多分2014年に六本木ヒルズで見たことがあります。いずれも「オフィーリア」と一緒に来日しています。

テート (12)

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上段はジョン・エヴァレット・ミレイの「露に濡れたハリエニシダ」、下段がエドワード・バン・ジョーンズの「愛と巡礼者」です。

「露に濡れたハリエニシダ」についてです。
植物は声を出しません。しかし育てている方はご理解いただけると思いますが、意思?のようなものを感じることがあります。最近の研究では植物は互いにコミュニケーションを取り合っていることが判明したそうです。ジョン・エヴァレット・ミレイが「木の霊が放つ力強い声」に着想を得たそうですが、この作品からは植物同士の会話が聴こえそうです。

「愛と巡礼者」についてです。
愛の矢を手にした愛の神が、巡礼者の手をつかんでいばらの茂みから助け出す場面です。「闇から光の中へ」の比喩が巧みな作品です。この作品の本質から外れる感想かもしれませんが「天は自ら助くる者を助く」という言葉を連想します。この作品は連作ですが、残り2作品を見てみたいものです。次回はターナーです。

エドワード・バーン=ジョーンズ 水車小屋

 コロナ禍でも東京駅はこれから夏合宿に行く学生さん達を昨年より見かけます。今回紹介する作品はエドワード・バーン=ジョーンズの 「水車小屋」です。

水車小屋

 琴の音色の合わせて踊る乙女の姿が美しい一品です。
  
 山の神様というより東南アジアの僧侶?に扮した教頭先生が、「教頭じゃない!山の神様だ!水島上等兵ではない、だから山の神様だ!」とキレながらキャンプファイヤーに点火、そのあとフォークダンスした中学2年の夏合宿。
 当時流行っていたプリンセスプリンセスを歌い踊る女子の先輩達にキュンときた高校1年生の夏合宿。
 合宿先の阿武隈山地某所の盆踊り大会に出て優勝しそうになったけど、「地元の人じゃない」のが理由で逃した大学生の夏合宿。

 踊り関係の部活ではないのに合宿には踊りに関わる思い出があります。セピア色の画面がノスタルジックのせいか夏合宿の思い出がよみがえったのでこの作品を紹介しました。 
 
 このブログで紹介している踊りがテーマとした他の作品もどうぞ!
 
ピエール・ボナールの「夏、ダンス
モーリス・ドニの「踊る女たち
英一蝶の「布晒舞図
アルフォンス・ミュシャの「四芸術-舞踏
山本大貴の「Composition-50

エドワード・バーン=ジョーンズ golden stairs

遅ればせながらですがNiziUのダンスパフォーマンスは均整がとれていて美しいですね。そこで今回紹介する作品はエドワード・バーン=ジョーンズの「golden stairs」です。

golden stairs

 楽器を抱えてた乙女達の姿はアイドルグループがこれからパフォーマンスに向かう様のようです。
 新婚旅行でロンドンに行った際、テートブリテンで見ました。この作品はなんらかのストーリーや寓意を込めたわけではないようですが、絵の上部中央に描かれている白い鳩は聖霊の象徴です。聖霊は乙女達が奏でる清らかな音楽とともに現れる(はず)のでこれはその舞台裏と解釈します。乙女達には緊張感というよりお疲れ~という雰囲気があります。
 
 ラファエロ前派の作品はひたすら美しいので見ているとだんだん緊張するくらいですが、この作品はゆるいですが、くたびれた中年からすると乙女達というものはきらきらしていてまさに「golden」。エドワード・バーン=ジョーンズは深いこと考えず、輝くように美しい乙女達をいっぱ描き込むことで「美」を分かりやすく表したかったのかもしれません。

 このブログではエドワード・バーン=ジョーンズ次の作品も紹介しています。ではまた!

「愛の神殿」
「王女サブラ」(こちら
「フローラ」(こちら
「水車小屋」(こちら

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