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ロセッティ ウェヌス・ウェルティコルディア(魔性のヴィーナス)とシビラ・パルミフェラ

 三菱一号館美術館で開催中の「ラファエル前派の軌跡」展の目玉はロセッティの「ウェヌス・ウェルティコルディア(魔性のヴィーナス)」です。
 
2019年04月07日10時54分42秒0001

 この作品が展示されてる部屋は写真撮影可能でした。
なお、その部屋で展示されている作品のうち絵葉書になっている作品はこれのみでした。

 ウェヌスは愛の神なので、背景には愛の象徴である薔薇が、画面下部には同じく愛の象徴であるスイカズラが隈なく一面に描きこまれています。
 この作品では、ウェヌスは男性を愛と官能の虜にして破滅に導く魔性の女として描かれています。
 画面右上には一羽の鳥が、そして林檎や矢、ニンブスの周囲には蝶が描かれています。これらは、いずれもウェヌスの魅力の虜となった男たちの「魂」の象徴だそうです。愛欲のはてにあるのは身の破滅ということが伝わります。 

 さて、ロセッティの作品をおまけにもう一作品。
 
2015年12月31日21時33分02秒0001

 2015年12月に渋谷の文化村ミュージアムで開催された「英国の夢 ラファエル前派展」に展示されていた「シビラ・パルミフェラ」という作品です。
 超越的な「美」の偶像として描かれた玉座に座る女性単身像。シビラ・パルミフェラとはヤシを持つ巫女のことで、ロセッティは レイディ・リリス(こちら)の「肉体の美」に対して、パルミフェラの巫女に「魂の美」を描いたそうです。 ヤシは美の勝利を表します。左側には愛を象徴する目隠しされたクピドと薔薇、右側には死の運命を暗示するポピーと頭蓋骨、そして魂の象徴である蝶が描かれています。
 
 並べてみると先ほどの作品は愛欲にまみれると身の破滅、こちらは理性を保つことの大切さを説いてるようにも見えます。
 いずれの作品もモデルは同一人物です。とても気が強そうです。だからこそこちらの魂を捕られそうな強そうな魂の持ち主であることが伝わります。
  超イケメンで恋愛に長けていいるロセッティは超美人をモデルにすることは容易いことと推測できますが、画家が魂を込める作品には「魂」が強い女性をモデルにしたようですね。
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バーン=ジョーンズ 三美神

 三菱一号館美術館では、「ラファエル前派の軌跡展」が開催されているので、この展覧会で見た作品を紹介します。
 まずは、バーン=ジョーンズの「三美神」です。
 三美神
 
 三美神とはローマ神話に登場する女神で、それぞれ愛(amor)、慎み(castitas)、美(pulchritude)を司っており、
左端が「官能」、中央は「純潔」、右端が「美」を表し、女性の美しさはこの三つの調和であることを説いてるそうです。西洋絵画で良く描かれる主題で、このブログではルーベンスの「三美神」を紹介しています(こちら

 この作品の良いところはアスリートのように鍛え抜かれたボディーと健康的な色香です。私の母校は女子陸上が有名でしたが、この乙女達は陸上選手のようです。
 数ある作品の中で、この作品を紹介した理由は、この作品を見るのは2回目なので再会できて嬉しかったからです。いつ見たかは定かではありませんが、同じく三菱一号館美術館の展覧会で見た気がしています。
 次回もこの展覧会で見た作品です。 

バーン=ジョーンズ ピグマリオンと彫像 成就

 美少女キャラについて語るとき「~は俺の嫁」といいいますが、先日ヤフーで初音ミクと結婚式を挙げた男性の記事を見ました。
 そこで今回紹介するバーン=ジョーンズの「ピグマリオンと彫像 成就」です。

2018年9月01日20時34分53秒0031

 2012年に東京丸の内の三菱一号館美術館で開催された「バーン=ジョーンズ展 ― 装飾と象徴 ―」展に出展されていました。
 当時はガラテアの程よい肉付きがとても魅力的に感じました。
  
 この作品は、現実の女性に失望したピグマリオンが自身で作ったガラテアの像を愛し、その思いを汲み取った愛の女神アフロディテが、ガラテアを人間に変え、ピグマリオンとガラテアは結婚して幸せに暮らしたという話をテーマにした4部作です。

 冒頭の話を聞いて、今どきの男は生身の女性と付き合えないのかと憤る方もいるでしょう。(ただし、相手が○音○ンだったら憤っているかも) しかし想像上の女性や2次元の女性に恋い焦がれるのは太古からあることです。
 ピグマリオンと似たような話を聞いてこの作品を思いたったので紹介しました。

ターナー 戦艦テメレール号

 2回続けてターナーの作品を紹介しましたが、代表作といえば、そして来日してほしい作品といえば「戦艦テメレール号」です。
 
戦艦テメレール
                            
 イギリスは海軍力で7つの海を支配し、蒸気機関の発明で産業革命を起こした国です。
 したがって、この作品はまさに「イギリス」を象徴していると言えます。2005年に行われたイギリス国内の一般投票により「最も偉大なイギリス絵画」に選ばれたそうです。ちなみに私の新婚旅行はロンドン。理由はこの作品が見たかったからです。

 蒸気船に曳航される帆船はトラファルガー海戦では2番艦、大和に対する武蔵のような戦艦です。そんな栄光ある帆船が小さい蒸気船に曳航されて解体される風景です。
 そのため、新しい時代(産業革命)の幕開けと一つの時代の終焉を描いた絵でもあります。世界史の教科書には「産業革命」の象徴として載っていました。
 
 夕陽と雲を貫く光線、そして暮れなずむ空の描写が素晴らしいです。そしてキャンバス一杯に広がる空間の描写も素晴らしいです。私は特に雲を貫く光線の描写に感嘆しました。
 夕暮れ時の青空と夕焼けが混ざる瞬間を描いたのは、時代の終焉を夕陽で、新しい時代への期待を青空で表したかったのかも知れません。

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