歌川広重 王子音無川堰棣

 暑い季節が到来し、息子を水遊びに連れていく機会も増えます。
 豊島区は水遊びができる公園が少ない一方で隣の北区は多いです。自転車で15分の範囲に3か所あります。そのうちの一つ音無川親水公園はかつて浮世絵にも描かれた景勝地ということ知り、今回紹介します。作品名は歌川広重の名所江戸百景「王子音無川堰棣」です。

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 石神井川は王子付近では「音無川」と言ったそうです。古い地名は学校や警察署、公園に使われることが多いようです。江戸時代は堰が築かれており景勝地でした。滝野川という地名のとおり滝も多かったのでしょう。この堰は戦後まもなくまで現存していましたが、台風で決壊し現在に至ります。
 この風景は、葛飾北斎だったら滝の音が聞こえるような作品として描かれたと思われますが、滝の音よりもむしろせせらぎが聞こえるようなしっとりとした広重らしい作品です。
 
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 これは現在の音無川です。音無川は両岸が崖のおかげで暑い日でも日影が多く、近くにある飛鳥山公園で水遊びするよりも熱中症になりにくいのがよいです。また遊歩道も整備されています。この界隈は寺社も多いのでこの季節の散策にお勧めです。
 
王子界隈を描いた浮世絵作品として、次の2つをこのブログでは紹介しております。合わせてご覧ください。
「王子装束ゑの木大晦日の狐火」
「王子稲荷の社」
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「風俗三十二相うるささう」と「山海愛度図会 ヲゝいたい 越中滑川大蛸」

 「幸せ」とは何かと具体的に考えると、いろいろあると思いますが愛しいものと一緒にいるときだと思います。そこで月岡芳年の「風俗三十二相うるささう」と歌川国芳の「山海愛度図会 ヲゝいたい 越中滑川大蛸
             
うるささう

 女性の仕草と心理を巧みに描いたことで有名なシリーズの一つです。
 着物の襟と猫の首輪は同じ柄なのですごく可愛がっていることが分かりとても幸せそうです。凄惨な作品も多い月岡芳年ですが幸せそうな作品も描いています。
 
 箸が転んでもおかしい年頃ってこともあって「かわいい~」って声が伝わってきますが、猫は少々迷惑ぎみ。文字通り「うるさい」っていう顔をしています。

ヲヲいたい

 このブログでは毎度おなじみの歌川国芳の作品です。
 背景に大蛸が描かれています、越中滑川、富山県東部の滑川に大きな蛸が出没し漁師を襲うという話が江戸にも伝わったそうです。これは漫画の背景にその時々で流行ってるものを織り込むのと同じじゃないかと思ってます。この猫は抱くと暴れる性質なのでしょうか?昔の漫画、ホワッツマイケルに登場したニャジラ並みにでかいねこです。
 いずれの作品も飼い主の思いとは裏腹な態度をとる様がユーモラスなので紹介しました。

溪斎英泉 雲龍打掛の花魁

 先日、「百日紅」という漫画を買いました。葛飾応為を主人公にした漫画です。当然葛飾北斎も登場しますが、葛飾北斎に私淑していた溪斎英泉も登場します。そこで今回紹介する作品は「雲龍打掛の花魁」です。

2016年05月04日20時10分50秒0001

 この作品は千葉市立美術館が所蔵しており、ゴッホが模写したことでも知られています。
 「百日紅」では溪斎英泉は女好きな人物として描かれていますが、実際女郎部屋を経営していたそうです。だからこそ退廃的な美しさの女性を描けたと思います。この作品は退廃的というより花魁のS字カーブとうねる龍の調和がかっこいい作品です。

 確か土屋アンナが主演の花魁が主人公の映画「さくらん」では、花魁はいまでいうロックスターだったという設定でした。その映画は番宣しかみてませんでしたが、気骨あふれる花魁姿が印象的でした。華やかですが実際はものすごく過酷な環境にいた花魁達は、それはそれはとても気骨があふれていたに違いないです。雲龍打掛を着た花魁を見てそう思いました。

ゴッホが模写した次の作品もどうぞ!日本趣味 : 梅の花
 

葛飾北斎 富士超龍  富嶽百景 竹林と不二

 さて先月から取り留めもなく浮世絵を紹介しています。浮世絵といえば葛飾北斎。北斎といえば富嶽三十六景ということで、このブログでも紹介していますが、今回は富嶽百景の富士山を描いた作品を紹介します。

富士越龍

 まずは「富士超龍」数ある作品の中からこの絵を選んだのは、富士を超えて天を目指す龍が常に絵の高みをめざしつづけた北斎の生きざまそのものだからです。北斎最後の作品らしく
  
2016年05月04日20時10分44秒0001

 次に「富嶽百景 竹林と不二」です。富嶽百景は75歳の時に刊行されたものですが、後書きに100歳まで生きて画業を極めるという内容が描かれています。富士山を越えようするかあのように、ぐんぐん伸びる象徴であるタケノコが象徴的です。
 富嶽36景コンプリートの展覧会はよくありますが、富嶽百景だけの展覧会はありそうでないので開催されてほしいものです。
 最近、杉浦日向子の「百日紅」を買ったので、次回は渓斎英泉の作品を紹介します。

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