円山応挙 江口君図
9月2日に静嘉堂文庫美術館で開催中の「あの世の探検—地獄の十王勢ぞろい—」に行きました。
静嘉堂文庫美術館が所蔵する「十王図・二使者図」及び「地蔵菩薩十王図」全13幅が展示されています。館内は空調が効いていますが閻魔大王など10人の大王達がのエネルギッシュな描写のせいか熱さを感じます。また、「十二霊獣図巻」はポケモンとかカードゲームのキャラクターを見ているようです。

これらの作品は撮影が可能ですが、私が行ったときは撮影をする人がいなかったせいか、ここで撮影をしたら迷惑と思い控えました。また、これらの作品の絵葉書は販売されていません。そこで今回紹介するのは絵葉書が販売されていた円山応挙の「江口君図」です。
今回この作品を紹介する理由は、実家が世田谷区なので、移転前の静嘉堂文庫美術館い行くことが多かったため、江口君図は見る機会が多く親しみを感じているからです。
一見無表情のため、時々の気分で個人的な解釈が変わりますが上品な顔立ちにいつも惹かれます。「江口君」と呼ばれた遊女をモデルした作品ですが、実は幽霊で普賢菩薩の姿で現れたものとのことです。この展覧会には普賢菩薩の仏画、円山応挙が描いたとされる幽霊がもあるので合わせてみるのも一興です。
この展覧会では曜変天目(茶碗)も展示されています。もうすぐ会期末なので行くから今すぐです。
静嘉堂文庫美術館が所蔵する「十王図・二使者図」及び「地蔵菩薩十王図」全13幅が展示されています。館内は空調が効いていますが閻魔大王など10人の大王達がのエネルギッシュな描写のせいか熱さを感じます。また、「十二霊獣図巻」はポケモンとかカードゲームのキャラクターを見ているようです。

これらの作品は撮影が可能ですが、私が行ったときは撮影をする人がいなかったせいか、ここで撮影をしたら迷惑と思い控えました。また、これらの作品の絵葉書は販売されていません。そこで今回紹介するのは絵葉書が販売されていた円山応挙の「江口君図」です。
今回この作品を紹介する理由は、実家が世田谷区なので、移転前の静嘉堂文庫美術館い行くことが多かったため、江口君図は見る機会が多く親しみを感じているからです。
一見無表情のため、時々の気分で個人的な解釈が変わりますが上品な顔立ちにいつも惹かれます。「江口君」と呼ばれた遊女をモデルした作品ですが、実は幽霊で普賢菩薩の姿で現れたものとのことです。この展覧会には普賢菩薩の仏画、円山応挙が描いたとされる幽霊がもあるので合わせてみるのも一興です。
この展覧会では曜変天目(茶碗)も展示されています。もうすぐ会期末なので行くから今すぐです。
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伊藤若冲 糸瓜群虫図
5月1日に日本橋高島屋で開催中の「開館25周年記念展 京都 細見美術館の名品ー琳派、若冲、ときめきの日本美術ー」に行きました。伊藤若冲の作品が大挙して上京してきた充実の展覧会でした。今回紹介するのは「糸瓜群虫図」です。

伊藤若冲の描く動植物の生命感と観察眼は素晴らしいです。
実際に昆虫採集に行くと虫がいる植物はこの作品のように虫食い状態であることが多いです。不思議なもので虫がいる苗は毎年同じです。植物達はあえて特定の苗を虫達に食料として差し出しているかのようです。
私がこの作品で注目したいのはカマキリです。カマキリは常にじっと待ち構えておりバッタのように跳ねまわりません。スナイパーのように狙いを定めている描写が素晴らしいです。
見ている
さて、この展覧会では鶏を描いた作品も多数展示されています。雄鶏の隆々とした逞しさに活力を頂いた気分になります。フランスの象徴は雄鶏らしいですが、若冲の描く雄鶏を見ているとそれも納得します。この展覧会は5月15日まで開催されています。高島屋の営業時間に合わせてるので会社帰りによれるところがいいですね。

伊藤若冲の描く動植物の生命感と観察眼は素晴らしいです。
実際に昆虫採集に行くと虫がいる植物はこの作品のように虫食い状態であることが多いです。不思議なもので虫がいる苗は毎年同じです。植物達はあえて特定の苗を虫達に食料として差し出しているかのようです。
私がこの作品で注目したいのはカマキリです。カマキリは常にじっと待ち構えておりバッタのように跳ねまわりません。スナイパーのように狙いを定めている描写が素晴らしいです。
見ている
さて、この展覧会では鶏を描いた作品も多数展示されています。雄鶏の隆々とした逞しさに活力を頂いた気分になります。フランスの象徴は雄鶏らしいですが、若冲の描く雄鶏を見ているとそれも納得します。この展覧会は5月15日まで開催されています。高島屋の営業時間に合わせてるので会社帰りによれるところがいいですね。
伊藤若冲 「池辺群虫図」と「芍薬群蝶図」
9月3日に東京藝術大学大学美術館で開催中の「本美術をひも解く—皇室、美の玉手箱」に行きました。個人的には3匹の狐のモフモフしたしっぽが可愛い西村五雲の「秋茄子」(絵葉書は無し)という作品が一番良かったのですが、この展覧会の目玉である伊藤若冲の「池辺群虫図」と「芍薬群蝶図」を紹介します。

鶏の絵よりも昆虫を描いた2作品を選んだのは、私は昆虫採集が好きだからです。
「池辺群虫図」はカエルの賢者のような美しさがポイントと思っております。
作品左上の黒いトンボは「蝶トンボ」。ひらひらと蝶のように飛ぶトンボです。この夏2回遭遇したものの捕まえることができませんでした。
トンボと甲虫は直線的に飛ぶので進行方向を予測できますが、蝶は予測不能な飛び方をします。そのため飛び方が優雅です。「芍薬群蝶図」は蝶の優雅さが魅力ですが、予測不能な飛び方をする蝶をよく観察した伊藤若冲の観察力は恐るべしです。
虫も飼ってみると個性があることが分かります。この2作品からは個体毎の個性も伝わってくるのでトンボ、蝶、蛙等、小さな命を愛で、よく観察した伊藤若冲の人柄が伝わります。


鶏の絵よりも昆虫を描いた2作品を選んだのは、私は昆虫採集が好きだからです。
「池辺群虫図」はカエルの賢者のような美しさがポイントと思っております。
作品左上の黒いトンボは「蝶トンボ」。ひらひらと蝶のように飛ぶトンボです。この夏2回遭遇したものの捕まえることができませんでした。
トンボと甲虫は直線的に飛ぶので進行方向を予測できますが、蝶は予測不能な飛び方をします。そのため飛び方が優雅です。「芍薬群蝶図」は蝶の優雅さが魅力ですが、予測不能な飛び方をする蝶をよく観察した伊藤若冲の観察力は恐るべしです。
虫も飼ってみると個性があることが分かります。この2作品からは個体毎の個性も伝わってくるのでトンボ、蝶、蛙等、小さな命を愛で、よく観察した伊藤若冲の人柄が伝わります。
増山雪斎 孔雀図
7月31日に国立西洋美術館の「リニューアルオープン記念 自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで」に行きましたが、同日、都立美術館で開催中の「ボストン美術館展 芸術×力」にも行きました。今回紹介する作品は増山雪斎の「孔雀図」です。

美しいというより陰陽図にような構図がかっこいいです。江戸時代の絵画といえば浮世絵ですが一方で耽美的・写実的な絵画も好まれていたようですね。
見た時期は忘れましたが、写実的な虫類写生図譜「虫豸帖」を見たことがあります。また、都立美術館の近くにある寛永寺には増山雪斎の遺志で写生した虫たちを供養した碑もあり、前々から気になっていた画家でした。また、増山雪斎は私の地元である豊島区に隠居していたので郷土ゆかりの画家でもあります。
この展覧会の目玉は「吉備大臣入唐絵巻」と「平治物語絵巻 三条殿夜討巻」ですが、私は親しみを感じている増山雪斎の「孔雀図」を推します。
虫たちを供養した碑の記事は(こちら)
虫を描いた作品として、熊谷守一の「アゲ羽蝶」、島村信之の「夢の箱」もどうぞ!

美しいというより陰陽図にような構図がかっこいいです。江戸時代の絵画といえば浮世絵ですが一方で耽美的・写実的な絵画も好まれていたようですね。
見た時期は忘れましたが、写実的な虫類写生図譜「虫豸帖」を見たことがあります。また、都立美術館の近くにある寛永寺には増山雪斎の遺志で写生した虫たちを供養した碑もあり、前々から気になっていた画家でした。また、増山雪斎は私の地元である豊島区に隠居していたので郷土ゆかりの画家でもあります。
この展覧会の目玉は「吉備大臣入唐絵巻」と「平治物語絵巻 三条殿夜討巻」ですが、私は親しみを感じている増山雪斎の「孔雀図」を推します。
虫たちを供養した碑の記事は(こちら)
虫を描いた作品として、熊谷守一の「アゲ羽蝶」、島村信之の「夢の箱」もどうぞ!