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甲斐荘楠音 「舞ふ」 「幻覚(踊る女)」

東京ステーションギャラリーで開催中の「甲斐荘楠音の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性」に行きました。
今回紹介する作品は 「舞ふ」と「幻覚(踊る女)」です。

tokyos (2)

tokyos (1)

数ある作品の中でこの二つを選んだのは踊りの魅力が凝縮されているせいか特に目を引いたからです。

上の作品は「舞ふ」です。
躍動感のある姿と鍛え抜かれた体躯が魅力的です。フィギュアスケートや新体操を見たときのような感動を感じる作品です。
下の作品は「幻覚(踊る女)」です。
ひらひらとした動きと芸妓の妖しい表情に誘惑されそうですが、誘惑されたら最後抜け出せない恐怖を感じる作品でした。

展覧会のサイトの引用ですが「デカダンス薫る大正画壇の異才にして、昭和チャンバラ時代劇の陰の立役者。そして芝居を愛し、自らも演じることに興じた趣味人にして数寄者―」である甲斐荘楠音の作品は前々から興味があり、しかも会場は職場の近く、サッサと仕事終わらせてきたかいがありました。
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児島虎次郎 和服を着たベルギーの少女

6月3日に目黒区美術館で開催中の「ベルギーと日本 光をえがき、命をかたどる」に行きました。私が一番推す画家であるエミール・クラウスに学んだ日本人画家である太田喜二郎と児島虎次郎の作品が一堂に会する充実の展覧会で6月18日まで開催されています。

kojimatora.jpg

一見、少女は「何着てるんだ私は?」という表情をしているようにも見えますが、背景がとてもガーリーなせいか、少女の可愛さが際立ちます。
この作品は展覧会のパンフレットに使われているこの展覧会の目玉です。「和服を着たベルギーの婦人」という作品と対になっているようです。児嶋虎次郎は和服を着た西洋人の少女を描いた作品は他にも描いており、大原美術館が所蔵しているようです。西洋美術と日本美術を融合しようと試行錯誤したものと思われます。

以前より、太田喜二郎と児島虎次郎のことは知っていましたが実際に作品を見るのは今回が初めてです。
エミール・クラウスは光に満ちた作品で有名ですが、両名の勝るとも劣らない光の描写は見ているだけで日光浴をしている気分になります。ベルギーで描いた風景画はもちろんのこと、光に満ちた日本の風景も描いております。日本画が描く風景はしっとりとした湿潤とした日本の風土が伝わりますが、光に満ちた日本の風景もまた良いです。次回はエミール・クラウスです。

※ 私が訪れたときはシャッター音がしなかったので撮影禁止かな思いましたが、実は可能です。この作品は絵葉書をスキャンしたものです。

国立博物館の常設展示 河鍋暁斎と吉田博

4月8日に国立博物館で開催中の「特別展 東福寺」に行き、その後、久々に常設展示を見ました。常設展示は撮影可能です。
今回は撮影をした近代絵画を紹介します。

toufukujiten (3)

toufukujiten (2)

上段は河鍋暁斎の「龍頭観音像」です。
観音様は慈悲深く、龍神様は喝!!と言ってそうです。飴と鞭を両方受けたような気分になりました。この作品が伝えていることは「厳父慈母」ということでしょうか?
このブログでは原田直次の「騎龍観音」も紹介しています。

下段は吉田博の「精華」です。
乙女が猛獣を従えている構図は「ユニコーンは処女に懐く」という伝承をアレンジしたと思われます。
この作品を見てギュスターヴ・モローの「一角獣」を連想しました。

国立博物館はいつ行っても新しい発見があります。今回紹介した作品は私にとっては新しい発見でした。

橋口五葉 浴場の女 浴後の女

 前回に引き続き千葉市美術館で開催されている「新版画 進化系UKIYO-Eの美」で見た橋口五葉の作品です。
 紹介する作品は「浴場の女」と「浴後の女」です。 版画の良いところは作品が複数存在するので見る機会も多いことです。これらの作品も千葉市美術館以外でも見たことがあります。

浴場の女

浴後の女

  「新版画 進化系UKIYO-Eの美」ではしっとりとした日本の風景を描いた版画が数多く出展されている一方で、伊藤深水の歌川国芳から脈々と続く正統派の美人画も多く出展されていますし、小早川清の退廃的・当世的な美人画も多く出展されています。
そのなかであえて橋口五葉の作品を紹介するのはただ単に個人的な好みです。

 洋の東西を問わず、裸婦像は数多くあり、ティツィアーノの「ウルビーノのヴィーナス」、アングルの「トルコ風呂」という美術史に名を残す官能的な裸婦像を見たことがあります。
 しかし私は思考も趣向も日本人なので、今回紹介する両作品が最も官能的な裸婦像と思っております。「浴場の女」は肉付きの良さに安らぎを感じます。「浴後の女」は曲線美が魅力的です。両作品ともにうっかり裸のところを見てしまって思わず失礼しました!と行く気分になるくらい作品に引きこまれます。

 さて、千葉市美術館は新版画が充実しておりますが、明治から大正にかけて日本で活躍した外国籍の版画家の作品も充実しております。次回、次々回は外国籍の版画家の作品を紹介します。

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