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パウル・クレー 双子 小さな港

アーティゾン美術館はパウル・クレーの作品をコレクションしています。今回紹介するのは新たにコレクションに加わった「双子」と「小さな港」です。

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上段が「双子」です。
「伝染るんです」に代表されるシュール系漫画に出てきそうなユーモラスな風貌は思わずくっすと笑ってしまいます。
最近、椎名誠のSF系の作品を読み始めました。「北政府」との戦争後の荒廃した世界が舞台の作品を好んで読んでます。異なる性質を持つ生物が合体した生物と静物の区別がつかないもの達が登場する独特の世界観に惹かれているからです。この「双子」という作品はこの世界観を連想します。

下段は「小さな港」です。
朝の風景が美しいです。海をみていると光の加減によっては海が緑に見えることもあります。朝日が海に反射して様々な色を見せてくれますね。
左下の棒人間に注目しました。水揚げをしているような、または、始業前の体操をしているようななんとも言えない姿に惹かれます。
このブログではパウル・クレーの作品を好んで紹介しますが、多彩な画風やいろいろと解釈できる楽しさ等、見ていて飽きないからです。アーティゾン美術館は会社帰りに行きやすいので今後も会社帰りに見たパウル・クレーの作品を紹介できそうです。

このブログで紹介しているアーティゾン美術館が所蔵する他の作品もどうぞ
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ロベール・ドローネ 街の窓

アーティゾン美術館で開催されていた「マリー・ローランサン —時代をうつす眼」では同館が所蔵するマリー・ローランサンと同時時代の画家達の作品も紹介されていました。今回紹介するのはロベール・ドローネの「街の窓」です。

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ロベール・ドローネといえば1月28日に閉幕した「パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展―美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ」で「パリ市」が出展されていましたね。あふれる色彩が魅力的でした。

マリー・ローランサンの作品は優雅で素晴らしいですが、こちらの作品はにぎやかですね。
「パリ市」は幅4メートルの大作ですが、こちらはサイズは不明ですが一般的なサイズです。こちらも「パリ市」同様エッフェル塔が描かれているので「パリ市」のミニチュア版といいた感じです。街路樹、街の華やいだ雰囲気、行き交う人々の喧噪を閉じ込めたような作品です。

ロベール・ドローネの奥様であるソニア・ドローネーも画家です。このブログでは「バル・ビュリエ」と「シベリア横断鉄道とフランスの小さな ジャンヌのための散文詩」という作品を紹介しています(こちら)。
夫婦ともにあふれる色彩、「リズム達が踊りだす」という歌詞が思い浮かぶような躍動感がいいですが、夫は「直線的」妻は「曲線的」です。この夫婦の作品だけを展示した展覧会が開かれたら是非行きたいものです。

マリー・ローランサン 女と犬 牝鹿と二人の女

アーティゾン美術館では3月3日まで「マリー・ローランサン —時代をうつす眼」が開催されており、会社帰りに行きました。

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上段は「女と犬」、下段は「牝鹿と二人の女」です。先日、ヒロシマ美術館でみたマリー・ローランサンの作品を2つ紹介しましたが、「牝鹿と二人の女」はひろしま美術館が所蔵しています

血色のよい健康的な肌の女性達は見ていて心地よいです。女性達の優しくもあり艶やかである眼差しは魅力的です。つい数分前は仕事をしていたことを忘れるくらいです。女性だけでなく動物達も可愛い。上段の作品の犬はいつまでも愛でたいですね。

作品の人物のほとんどが女性のせいか、会場を進んでいくうちに50代のおっさんがいていいのか?と場違い感を感じました。
牝鹿は同性愛の象徴らしいですね。、マリー・ローランサンは同性愛者だったそうです。下段の作品は「エス」な二人を描いたと感じ、おっさんには分からない場違いな気分になったと納得しました。
しかしながら、決していやらしくなく、仲睦まじいカップルは現実世界でも見ていて心地よいものです。だからこの作品がこの展覧会で一番お勧めしたい作品です。

キース・へリング展②

森アーツセンターギャラリーで開催中の「キース・ヘリング展 アートをストリートへ」は間もなく閉幕ですね、、このシリーズも今回が最終回です。

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「「スイート・サタデー・ナイト」のため舞台セット」です。ダンスパフォーマンスの舞台背景として作成されものです。ストリートで生まれたキースへリングらしい作品です。
当時、ブレイクダンスが流行っていました。学校で真似てみたものですが当然うまくいきませんでした。当時、ストリート系のダンスは不良なものとされ、当時中学生の兄は生活指導の先生にひどく怒られたことを今でも恨んでいます。今は学校でも習うので時代は変わりましたね。

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「イコンズ」です。
三つ目の人物は目が二つの作品もあるそうです。例えば写楽、飛影のように第3の目は開くとすさまじい力を放ちます。偶然かもしれませんがキースへリングもこのことをモチーフにしたのでしょうか?

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「レトロスペクト」です。
希望と調和を感じますが、社会の理不尽さを感じると同時にそれを乗り越える力を授かったような気分になります。

キースへリングはデビューから死去までの活躍をリアルタイムで見た唯一の画家なので思い入れは強く、この展覧会はこのブログを始めてから一番感動しました。
キーツへリングをリアルタイムで見ていた頃は青春時代(小学校4年から高校1年)真っ只で日本はとても栄えていました。その後今も続く不景気が来たことを思うと、また、若くして亡くなったことを思うと、全ての作品に「おもしろうてやがて悲しき」という気分にもなりました。このような展覧会がまた開催されることを祈っています。

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