上村松園 「焔」と「花筐」

夏といえばホラー。今回は涼しくなりそうな作品を2つ紹介します。まずは上村松園の「焔」を紹介します。

焔
 
 幽霊画といえば松井冬子も有名で長い黒髪だけを描いた、怨念だけがいつまでも続くような怖い作品もありますが、この作品はその先達といえます。

 この作品は六条御息所が光源氏の正妻、葵の上への屈辱と嫉妬から生霊なった場面を描いた作品で、怖い日本画は?と聞けばこれと答える方も多いと思います。指をかむしぐさが色っぽくも恐ろしいです。 女性の黒髪は美しさの象徴ですが、同時に怖さの象徴。貞子も茶髪だったら怖くないです。
 さて、次は同じく上村松園の「花筐」です。

花かたみ
 
 能の演目花筐の一場面です。
 愛しさのあまり狂った様を描いた作品です。私が注目しているところは花筐にある手紙(?)です。私のもとに戻ってきてと手招きしているように見えるので病んでる女性より手紙のほうが怖く感じます。手紙は書いた人の思いが宿るからでしょうか?

 あの手この手で涼を得る季節です。私もついに日傘を買いました。かなりいいです!。。。話がそれましたが怖い絵を見て涼を得るのも一興ですね。
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歌川国芳 源頼光公館土蜘作妖怪図

 文京区の本駒込にある東洋文庫ミュージアムでは「悪人か、ヒーローか」という展覧会が9月5日まで開催されており6月に行きました。
 
 美術館というよりは図書館といった施設なので書物の展示が多いですが、絵画も数点展示されていました。今回紹介するのはその一つ、歌川国芳の「源頼光公館土蜘作妖怪図」です。

歌川国芳 源頼光公館土蜘作妖怪図

 表向きは源頼光による土蜘蛛退治を描いたものですが、実は国家危急の時に無為・無策な将軍とその家臣団への批判が込められていることで有名な作品です。
 江戸の庶民が権力の「悪」を笑い飛ばすことで反抗していた証です。幕末は地震も多発しておりナマズを成敗する様を描いた絵画もありました。

 さて、この展覧会のメインテーマは始皇帝、曹操、平清盛、織田信長等、「悪人」あるいは「ヒーロー」とされた人物に関する記録の展示です。一般的には「悪人」とされている人物は勝者によって、また儒教的規範等のの時代の道徳等から外れるから「悪」とされていたり、一方で功績や人柄が評価されていたりと歴史とは立場によって解釈が異なり一方的に評価できないことを改めて認識しました。館内は文の都たる「文京区」にふさわしいアカデミックな雰囲気です。是非お出かけください。

溪斎英泉 初夏の雨

 梅雨なので溪斎英泉の「初夏の雨」を紹介します。

初夏の雨

 最近の梅雨は降るかと思えば降らず、いざ降ると狂暴、、、この作品のような情緒は皆無のようです。どうせ降るならこの作品のように情緒豊かにしっとり降ってほしいものです。
 
 艶やかな女性を描くことが多い溪斎英泉ですが、この作品の女性はむしろかわいらしく、綾瀬はるかって感じです。浮世絵は古の女性は今の女優でいえばだれか?と考えながら見るのも楽しいです。
 
 右の女性は足がちらっと見えてます。「絶対領域」という足が一部見えている様にちょっとしたお色気を感じるさまを表す言葉がありますが、これは江戸時代の「絶対領域」でしょうか。。。?暫くの間、夏らしい作品を紹介します。ではまた!
 

中島千波 existence*’15-9-mu (夢)-L existence*’15-9-mu (夢)-R

 横浜美術館で開催中の展覧会の作品を2回紹介したので、今回はコレクション展の作品を紹介します。
 横浜美術館の常設展品は撮影が可能で、以前も紹介しております(こちら)が、紹介する作品は中島千波の「existence*’15-9-mu (夢)-L existence*’15-9-mu (夢)-R」です。

IMG_2314.jpg

IMG_2313.jpg

 中島千波は桜を描いた作品が有名ですが、その一方で人間の存在を問う連作を描いており、この「existence*’15-9-mu (夢)-L existence*’15-9-mu (夢)-R」のその一つです。

 上の画像が「L」で下の画像が「R」です。「L]は夜、「R」が昼を表しているということはネットで調べて分かりましたが、以下はあくまでも私の個人的な解釈です。

 この作品は上下に分けた画像ですが、実物は屏風で作品の女性はゴロゴロ転がって起き上がってまた寝転んで行くように描かれているさまは、夢の世界は現実とリンクしていることを表しているようです。
 人は夢を現実化することができます。夢を絶え間なく現実化することで人間は生きていくことができることをこの作品を説いているのではないかと思われます。 

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