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サミュエル・ファン・ホーホストラーテン 部屋履き

「ルーヴル美術館展 愛を描く」の続きです。前回は瑞々しい愛を描いた作品でしたが、今回は背徳な愛?を描いたと思われる作品です。サミュエル・ファン・ホーホストラーテンの「部屋履き」です。

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サミュエル・ファン・ホーホストラーテンはフェルメールやピーテル・デ・ホーホと同時代の画家で、理論家として知られています。
案外、フェルメールの作品と一緒に他の作品も来日しているかもしれません。

この作品の第一印象は不穏な感じでした。多重構造の屋内に抜け出せなくなりそうな恐怖を感じました。

置きっぱなしの箒、脱ぎ捨てたサンダル、さしたままのカギ、傾いたろうそく等、女性が家事を放棄して情事にふけていること暗示しているようです。鑑賞者は寝取られた夫の目線なのでしょうか?静謐な画面のせいか、この後の泥仕合も予感します。
他にも①オランダは海洋国家です。大事な人の訃報を聞き家事を放りして駆けだした、、②主人のふがいなさについにキレて家事を放り出して出奔といろいろなストーリーを連想することができます。この展覧会で一番お勧めしたいのはこの作品なので紹介しました。
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フェルメール 信仰の寓意

 4月3日に国立新美術館で開催中の「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」に行きました。
 今年はフェルメールの作品が2点同時期に来日しています。そこで今回紹介する作品は「信仰の寓意」です。

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 「絵画芸術」とともに、フェルメールが描いた現存する二点の寓意画のうちの一つです。
 右手を胸元に置いているポーズは異教徒である私でも宗教画のある天の啓示とか信仰への目覚めを一目で感じるぐらい劇的です。また、フェルメール作品の女性は日常的な表情ですが、この作品では恍惚とした表情で描かれており、今まで見た作品とは一味違うことを感じました。

 描かれている各寓意はカトリック教義のものとのことです。プロテスタントが多いオランダでなぜこのような作品が描かれたのか疑問に思い、またどこか抑え気味と感じました。
 会場にある解説によると、当時のオランダは公式な場ではカトリックは禁止であったが、家庭内では容認されていたそうです。また、フェルメールもカトリックだったそうです。展覧会の会場にある宗教画はカトリックの尊さを一目で感じさせるように絢爛であるのに対して、この作品はどこか抑え気味に感じたのは大ぴらにカトリックであることを言えない事情があったからかもしれません。

 この作品が展示されているエリアにはフェルメールと一緒に来日するピーテル・デ・ホーホの「女主人への支払い」という作品が展示されていました。「信仰の寓意」が「聖」な場面を描いたものですが、「女主人への支払い」は裕福な服装の男性が酒場と思われる場所で女性に支払いをしているという「俗」な作品です。残念ながら絵葉書はありませんでした。
 他にも酔っ払った人々の乱痴気騒ぎを描いたヤーンステンの作品、白い球で縁取られた帽子をかぶった裸婦が描かれているクラナッハの「パリスの審判」もありましたが、絵葉書はなかったです。次回もこの展覧会の作品を紹介します。

フェルメール 窓辺で手紙を読む女(修復前と修復後)

 2月22日に都立美術館で開催中の「ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展」に行き、修復された
フェルメールの「窓辺で手紙を読む女」を見ました。2012年に修復前のものを記事しているので、印象の違いについて感じたことを書きます。

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 2005年に国立西洋美術館で開催された展覧会で修復前の作品を見ています。
 オランダは海洋国家でした。フェルメールの時代の航海は命がけだったので、難破・遭難したという手紙を残された女性が受け取るのは日常的だったと思われます。そう思ってみるとこの作品は当時の女性達の悲しみを描いた作品かもしれません。
 優れた悲劇はカタルシス効果があり、不都合な気持ちをとき放つそうです。この作品はそんな女性達の悲しみを癒すため、また難破した船員の鎮魂として描いたと解釈しました。

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 こちらは修復後です。
 キューピッドは悪意に打ち勝つのは誠実な愛を表しているそうです。だからこの手紙は多くの困難に打ち勝って恋が成就した瞬間と解釈しました。また、修復前は悲しみと鎮魂と解釈したのですが、今回は手紙の送り主が無事航海を終えて帰国次第結婚しようと書いたのかな、、と個人的にストーリが思い浮かびました。
 開けた窓から風が吹き込みカーテンが揺れたように見えたのですが、よく見ればカーテンは窓に引っかかっています。フェルメールは光の動きを風のように感じ描いたということでしょうか?
 
※ フェルメールの展覧会には必ず出展されるといっても過言ではないピーテル・デ・ホーホの作品はなかったです。

ゴッホ 糸杉

 「糸杉」を描いた作品が2回続きました。2度あることは3度ということで、今回も「糸杉」です。この記事は2012年11月に東京都美術館で開催されたメトロポリタン美術館展の記事を再編集しています。
  
糸杉

 この展覧会で一番よかった作品はジョージア・オキーフの作品でした。この女性画家は草間彌生が尊敬していた画家です。牛の骸骨の隙間から覗く荒野と青空の広さが印象的でした。エドワード・ホッパーの作品の隣に展示されています。そして次に良かった作品が今回紹介する「糸杉」でした。

  「糸杉」を描いた作品は多数あり、ゴッホにとって糸杉は人間の生、すなわち誕生や成長、友愛、永遠への憧憬を意味していたと同時に、その終焉である死をも象徴する存在であり、精神的圧迫に苦悩していたゴッホには自身の内面世界を反映しているそうです。
 
 この作品、良く見ると空は明るいのに月は明るいです。描かれた時間が良く分からず、マグリットの作品に感じる夢か現実か良く分からない不思議な感覚をおぼえます。ゴッホは苦悩の連続だった人生を過ごしたそうです。どうしていいか良く分からない状態。すなわち苦悩を空の描写で表したのかもしれないですね。

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