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ポール・デルヴォー 「セイレン」と「海は近い」

 Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「ベルギー奇想の系譜 ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで」では、ベルギー象徴派の作品、シュールリアリズムの作品の多数展示されておりました。そこで今回紹介する作品はポール・デルヴォーの「セイレン」(上段)と「海は近い」(下段)です。いずれも私の憧れである姫路市立美術館が所蔵しておりますが、上京されることも多いようで今回は2度目の御対面です。
 
2017年07月16日21時42分02秒0001

 灰色に満ちた風景は虚ろです。セイレンは海の魔物ですが、この作品は夏に怪談話を楽しむような感覚で見ると良いかもと思いました。
 この展覧会では前回紹介したような人間の暗黒面を描いた作品も多く、誰もが持っている暗黒面を見つめることで内省が促されるような気分になりました

海は近い
 
 西洋人は月明かりに良いイメージを持たず「死」を連想するそうです。そういうイメージで見るとこの絵は冥界のようです。
 しかし、月明りに良いイメージを持つ東洋人としては、月は再生の象徴であり、海は生命が生まれる場所であります。なので、この絵を見ていると万物は無に帰すが、また再生するのと解釈できると思います。
 次回はフェルナン・クノップフです。
 
 このブログでは「トンネル」という作品も紹介しています。合わせてご覧ください(こちら

トゥヌグダルスの幻視と大食

 7月17日にBunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「ベルギー奇想の系譜 ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで」に行きました。
 ベルギーは奇想な絵画が多く、そのルーツともいえるヒエロニムス・ボスの作品から現代作家の作品を展示した摩訶不思議な展覧会でした。
 再会した作品、前から見たかった作品も多かったので私的には大変感動したので、この展覧会のことを3回にわたり紹介します。

2017年07月16日21時42分02秒0003

2017年07月16日21時42分02秒0002

 先ずは、ヒエロニムス・ボスとピーテル・ブリューゲルです。上段はこの展覧会のポスターにも使用されているヒエロニムス・ボス工房の「トゥヌグダルスの幻視」、下段はピーテル・ブリューゲルの「大食」です。

 ヒエロニムス・ボスとピーテル・ブリューゲルは大食、放蕩、怠惰等の悪徳への戒めを描いた作品を多く残しております。
 ベルセルクや進撃の巨人といったハードな描写の漫画や、鬼太郎といった妖怪の漫画に慣れ親しんでいる現在の日本人にとっては、これらの作品はユーモラスです。
 悪徳の戒めがテーマですが、この作品が描かれた時代の人々は、現在の日本人が化け物達と凄惨に戦う漫画に魅かれるようなノリでこの作品を楽しんでいたのかもしれないです。
 
 漫画にせよ絵画にせよ、作品は明るく美しくあること理想ですが、現実はそうではなく、ひたすらダークな作品に魅かれることもあります。また、大食、放蕩、怠惰等は悪いと思っていてもついついやってしまいます。ヒエロニムス・ボスとピーテル・ブリューゲルはそんな人間の側面を表現したかったのかもしれないですね。

※ ブリューゲルの「バベルの塔」についての記事もどうぞ!(こちら

ポール・デルヴォ― トンネル

夕暮から夜にかけての万世橋の風景は、ポール・デルヴォ―の作品ようなので、「トンネル」という作品を紹介します。

トンネル

 
 ポール・デルヴォ―の作品といえば鉄道と古い建築物なので、夕暮から夜にかけての万世橋の風景を連想します。

 この作品は2012年に府中市立美術館で開催された「ポール・デルヴォ― 夢をめぐる旅」で見ました。
 エンヤの音楽が流れてきそうな、心の中の永遠を閉じ込めた幻想的な作品です。小学生から大人になるまでに出会った女性達と夢の中で再開したような気分になり、ちょっと懐かしくも切なくなる作品です。

 夢は不思議なもので、風景を変えて同じようなものを繰り返してみることがあります。デルヴォ―の場合は、この作品のような風景な夢をよく見ていたのかもしれないです。
 自分の場合はなぜか大学に入学し直すという夢をよく見ます。(夢の中の自分は会社辞めてくるの忘れたとか、かみさん置いてきちゃったとか、30代だからサークル入ったら浮くな、、、とか妙に現実的なことを考えています)

このブログでは、姫路市立美術館が所蔵している「海は近い」を紹介しています(こちら

ジェームス・アンソール 陰謀

 平穏な日常のすばらしさを感じつつも、「不安」は湧き出るものです。不安から逃げる方法はいろいろありますが、気の持ちようでいくらかは和らぐそうです

そこで今回はジェームス・アンソールの「陰謀」を紹介します。

陰謀

 仮面をつけた人々の姿に不穏な気分になります。
 不穏なタイトルな作品ですが、滑稽に見える作品です。左端は病弱なスネ夫、右端の黄色い帽子をかぶった人物のありえないしゃくれた顔は特に滑稽です。鮮やかな色彩がおしゃれですね。

 また、右端の冷静に滑稽な人々を見つめる人物にも注目です。 頭に浮かぶ「不安」というものは、(ただし経験上、目の前で現実に起きている場合は別ですが)、冷静に見つめると滑稽だったりします。
 「不安」というものを冷静に見つめることで、また、できるだけポジティブに置き換えることで和らげることができるということをこの作品から感じました。

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