龍口経太 髪
前回は私が推す日本人の洋画家でしたが、今回は日本画家である龍口経太の作品で「髪」を紹介します。

このブログの最初の記事は龍口経太です。
この作品は2012年11月に日本橋のKAMIYA ARTで開催された龍口経太の個展で見ました。
龍口経太は、2007年に「東京藝術大学大学院 美術研究科美術専攻 日本画研究領域 博士後期過程」を修了した画家としては超エリートです。なお、松井冬子も同年に同じ過程を修了しています。
龍口経太といえばメイド風の衣裳を身に着けた裸婦像が多く、そのため「萌え」というキーワードで語られがちですが、禍々しくも美しい髪の描写に注目していただきたいです。
うごめく髪は生きている限り続く「負」の感情に見えます。メイドは従順の象徴です。人生は時として過酷な「負の感情」を受け入れざるを得ないことがあります。「髪」が絡まった女性はこの運命に対し従順にならざるを得ない人々の象徴でしょうか?メイド風の衣裳を着た女性は我々を負の感情から救う女神といえます。
このブログで紹介している他の作品もどうぞ!
焔(習作)
白虎
2013年の個展
操り人形

このブログの最初の記事は龍口経太です。
この作品は2012年11月に日本橋のKAMIYA ARTで開催された龍口経太の個展で見ました。
龍口経太は、2007年に「東京藝術大学大学院 美術研究科美術専攻 日本画研究領域 博士後期過程」を修了した画家としては超エリートです。なお、松井冬子も同年に同じ過程を修了しています。
龍口経太といえばメイド風の衣裳を身に着けた裸婦像が多く、そのため「萌え」というキーワードで語られがちですが、禍々しくも美しい髪の描写に注目していただきたいです。
うごめく髪は生きている限り続く「負」の感情に見えます。メイドは従順の象徴です。人生は時として過酷な「負の感情」を受け入れざるを得ないことがあります。「髪」が絡まった女性はこの運命に対し従順にならざるを得ない人々の象徴でしょうか?メイド風の衣裳を着た女性は我々を負の感情から救う女神といえます。
このブログで紹介している他の作品もどうぞ!
焔(習作)
白虎
2013年の個展
操り人形
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龍口経太 焔(習作)
つげ義春の作品にはおかっぱの少女がよく登場しますね。そこで今回はおかっぱの美少女を描いた作品を紹介します。
この記事は2012年11月に日本橋のKAMIYA ARTで開催された龍口経太の個展の記事を再編集したものです。このブログの1回目の記事も龍口経太の作品で、私が最も推す日本画家です。
この作品は個展に出展されていた「焔」という妖しい魅力を放つこの裸婦像の頭部を描いたもので、「習作」というタイトルでした。

つげ義春の代表作に「紅い花」、「もっきり屋の少女」、「沼」があります。いづれもおかっぱの少女が登場します。
この作品の女性は怪しい雰囲気が「沼」に出てくる少女に近いです。
龍口経太は、少女特有の萌えとしたエロスがありつつも何らかの苦悩を抱えてる裸婦像が多いです。
「紅い花」、「もっきり屋の少女」は少女特有のエロスを感じますが、いろいろ苦悩も抱えてます。今回この作品を紹介した理由はただ単に髪型が同じということに加え、作品の世界観にも合ってると思い紹介しました。
さて、つげ義春は寡作でカルトな人気がありますが、メディアに登場することは少ないです。
龍口経太も同様に寡作でカルトな人気があります。今どきの画家はSNSで作品を発表したり個展を告知しますがそのようなことはしていないので、こまめに個展の開催を検索しています。
※ つげ義春はガロに作品を発表していました。
このブログでは同じくガロで活躍した滝田ゆうの作品も紹介しています(こちら)
この記事は2012年11月に日本橋のKAMIYA ARTで開催された龍口経太の個展の記事を再編集したものです。このブログの1回目の記事も龍口経太の作品で、私が最も推す日本画家です。
この作品は個展に出展されていた「焔」という妖しい魅力を放つこの裸婦像の頭部を描いたもので、「習作」というタイトルでした。

つげ義春の代表作に「紅い花」、「もっきり屋の少女」、「沼」があります。いづれもおかっぱの少女が登場します。
この作品の女性は怪しい雰囲気が「沼」に出てくる少女に近いです。
龍口経太は、少女特有の萌えとしたエロスがありつつも何らかの苦悩を抱えてる裸婦像が多いです。
「紅い花」、「もっきり屋の少女」は少女特有のエロスを感じますが、いろいろ苦悩も抱えてます。今回この作品を紹介した理由はただ単に髪型が同じということに加え、作品の世界観にも合ってると思い紹介しました。
さて、つげ義春は寡作でカルトな人気がありますが、メディアに登場することは少ないです。
龍口経太も同様に寡作でカルトな人気があります。今どきの画家はSNSで作品を発表したり個展を告知しますがそのようなことはしていないので、こまめに個展の開催を検索しています。
※ つげ義春はガロに作品を発表していました。
このブログでは同じくガロで活躍した滝田ゆうの作品も紹介しています(こちら)
中島千波 existence*’15-9-mu (夢)-L existence*’15-9-mu (夢)-R
横浜美術館で開催中の展覧会の作品を2回紹介したので、今回はコレクション展の作品を紹介します。
横浜美術館の常設展品は撮影が可能で、以前も紹介しております(こちら)が、紹介する作品は中島千波の「existence*’15-9-mu (夢)-L existence*’15-9-mu (夢)-R」です。


中島千波は桜を描いた作品が有名ですが、その一方で人間の存在を問う連作を描いており、この「existence*’15-9-mu (夢)-L existence*’15-9-mu (夢)-R」のその一つです。
上の画像が「L」で下の画像が「R」です。「L]は夜、「R」が昼を表しているということはネットで調べて分かりましたが、以下はあくまでも私の個人的な解釈です。
この作品は上下に分けた画像ですが、実物は屏風で作品の女性はゴロゴロ転がって起き上がってまた寝転んで行くように描かれているさまは、夢の世界は現実とリンクしていることを表しているようです。
人は夢を現実化することができます。夢を絶え間なく現実化することで人間は生きていくことができることをこの作品を説いているのではないかと思われます。
横浜美術館の常設展品は撮影が可能で、以前も紹介しております(こちら)が、紹介する作品は中島千波の「existence*’15-9-mu (夢)-L existence*’15-9-mu (夢)-R」です。


中島千波は桜を描いた作品が有名ですが、その一方で人間の存在を問う連作を描いており、この「existence*’15-9-mu (夢)-L existence*’15-9-mu (夢)-R」のその一つです。
上の画像が「L」で下の画像が「R」です。「L]は夜、「R」が昼を表しているということはネットで調べて分かりましたが、以下はあくまでも私の個人的な解釈です。
この作品は上下に分けた画像ですが、実物は屏風で作品の女性はゴロゴロ転がって起き上がってまた寝転んで行くように描かれているさまは、夢の世界は現実とリンクしていることを表しているようです。
人は夢を現実化することができます。夢を絶え間なく現実化することで人間は生きていくことができることをこの作品を説いているのではないかと思われます。
千住博 ウォーターホール
先日新宿へ行った際に、地下鉄副都心線の新宿3丁目駅の高島屋寄りの改札口にある千住博の「ウォーターホール」を見たので紹介します。

まずは全体図です。

作品の左側です。

右側です。
滝というより、天地創造、銀河といった言葉も思い浮かびます。「ウォーターホール」はいろいろな解釈ができるので、解釈について語り合うのも楽しそうです。

ちなみにこちらは軽井沢にある千住博の美術館にある「ウォーターホール 2004」です。爽やかな青空を見ているような気分になります。
また、この美術館には蛍光塗料で滝を描いた「デイフォール・ナイトフォール」も必見です。ブラックライトに照らされて妖しく光る滝は鍾乳石のように幻想的で、映画マトリックスのオープニングやトロンのようにサイバーな不思議な作品もあります。
千住博のパブリックアートは多くありますが、豊島区にある大正大学のキャンパスにある鴨台観音堂の「ウォーターホール」は夜景に映えて美しいのでお勧めします(こちら)。

まずは全体図です。

作品の左側です。

右側です。
滝というより、天地創造、銀河といった言葉も思い浮かびます。「ウォーターホール」はいろいろな解釈ができるので、解釈について語り合うのも楽しそうです。

ちなみにこちらは軽井沢にある千住博の美術館にある「ウォーターホール 2004」です。爽やかな青空を見ているような気分になります。
また、この美術館には蛍光塗料で滝を描いた「デイフォール・ナイトフォール」も必見です。ブラックライトに照らされて妖しく光る滝は鍾乳石のように幻想的で、映画マトリックスのオープニングやトロンのようにサイバーな不思議な作品もあります。
千住博のパブリックアートは多くありますが、豊島区にある大正大学のキャンパスにある鴨台観音堂の「ウォーターホール」は夜景に映えて美しいのでお勧めします(こちら)。