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セガンティーニ 風笛を吹くブリアンツァの男たち

 日曜日に国立西洋美術館に行きました。世界陸上が開催中ということもあって、円盤投げの彫刻が特に素晴らしく感じました。さて、国立西洋美術美術館の常設展示には、現在セガンティーニの絵が展示されています。

風笛を吹くブリアンツァの男たち

 絵のタイトルは「風笛を吹くブリアンツァの男たち」です。ブリアンツァはスイス国境に近い北イタリアの地方の街です。歩行器に入れられた赤ちゃんが不思議そうに笛を見ているところが可愛らしく、とてもピースフルな作品です。笛の音、ヒヨコの鳴き声、牛の鳴き声等が合わさって、「イッア スモールワールド」の中にいるような気分になりました。でもヒヨコ多すぎ。。。

 セガンティーニはスイスの風景を鮮やかに描いた画家(「アルプスの真昼」が有名)というイメージしかなかったのですが、調べてみると初期は今回紹介した古典派、後期は印象派な作品を描き、一方で「生の天使」のような象徴派な絵を描いてます。次回はモーリス・ドニ。同じく国立西洋美術館で展示中の作品です。ではまた!!
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歌川国芳 道外化けもの夕涼み

 熱さはピーク。寝苦しくて寝不足気味です。。。夏休みまであと2日。。。。。
 夏と言えば怪談。怖い話を聞く、怖いものを見るで涼しくなることもあるので、歌川国芳の「道外化けもの夕涼み」を紹介します。

道外化けもの夕涼み

 歌川国芳といえば、「奇想の絵師」。化け物・幽霊を描いた浮世絵は多々ありますが、この絵は化け物をユーモラスに描いているところが、歌川広重や葛飾北斎と違い、スターウォーズの一場面を連想します。
 右端のおっさん丸出しな青い化け物と鼻毛の長い真ん中の白い化け物の造形が笑えます~

 この浮世絵はまた、歌川国芳の魅力の一つである動物も化け物とした描かれています。真ん中あたりの子犬のキモ可愛さがよいです。左上にはぶんぶく茶釜もいます。この浮世絵は奇想と動物の愛らしさという歌川国芳の魅了が凝縮で一番のお勧めです。

 葛飾北斎や歌川広重は偉大な浮絵師ですが、その弟子となるとあまり有名でないです。
 しかし歌川国芳はこのブログで良く紹介する月岡芳年、河鍋暁斎等を門弟に抱え、孫弟子を含めたらその後の日本美術史上に名を残す画家を生んだところが偉大です。現在太田記念美術館ではその弟子のひとり歌川芳艶の展覧会が開催中。土曜日に練馬区立美術館に行った後この展覧会に行きましたが、目の前で火が燃え、雷が飛び出す重厚かつ迫力のある武者絵は必見です。
 次回は渋谷区の千駄ヶ谷にある鳩森神社についてです。ではまた~

このブログでは次の作品も紹介しています。
「坂田怪童丸」(こちら
「山海愛度図会 ヲゝいたい 越中滑川大蛸」(こちら
「流行猫の曲手まり」(こちら
「道外化けもの夕涼み」(こちら
「みかけハこハゐがとんだいい人だ」(こちら

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山下清 長岡の花火

 夜になると都内各所の花火大会の音が聞こえる季節です。帰りの電車で今から花火大会の浴衣姿の女子を見ると、その姿が可愛らしいので得した気分にあります。そこで今回紹介するのは山下清の「長岡の花火」です。

長岡の花火

  山下清の作品で一番有名な作品です。
 この絵は花火だけでなく、観客の声、水面に映る花火等会場全体が描かれているので、臨場感があり写実的です。気がつけば目の前で花火が打ちあがってる気分になるのがこの作品の良いところです。
 山下清は花火が大好きで花火を見に放浪し、帰宅後驚異の記憶力を駆使して名作を次々に作成したそうです。ドラマでは放浪先で貼り絵をしてますが、あれは嘘だそうです。

 前回に引き続き、ある年代の方にしかわからない話ですが、山下清の物まねは、日曜9時のフジテレビで裸の大将放浪記を見たことがある世代の人にとってはジャイアント馬場並みに鉄板だと思います。それくらいみんな真似され、愛されている画家は岡本太郎くらいでしょう。ではまた!

次の作品もどうぞ!!
桜島
ぼけ

モネ ヴェトゥイユの画家の庭 ルノワール ガーンジー島の子ども達

 夏本番です。最近の夏は凶悪ですが本来は光の美しさを感じる季節でもありますよね。そこで今回は豪華に印象派絵画を二本立てです。ますはモネの「ヴェトゥイユの画家の庭」です。

ヴェトゥイユの画家の庭

 青空とひまわりの見事なコンストラクションが素晴らしい!
 この絵に出てくる男の子はモネの次男ミシェルで、「「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」ではこの絵の左に展示されている「日傘の女、モネ夫人と息子」に登場しているのは兄のジャン君だそうです。モネは次男に「お兄ちゃんばっかずるい~」と言われたのでしょうか?
 ちなみに、道の奥の階段に立つ2人は当時モネ一家とともに暮らしていたオシュデ夫妻の子供達だそうです。

 この絵は大学生の頃の夏休みを思い出だします。
 出身は東京ですが、大学だけは福島にいました。サークルは児童文化研究会(通称:ジャリ研)で夏休みは県内を2週間ほど紙芝居を持って巡回しました。この絵は田舎の夏の風景を思い出します。
 同時に、サークルのメンバーは男女ともにいわゆる草食系。2週間も同じ場所に寝泊まり(宿泊場所は公民館)しながら何も起きないという超健全さ!美しい思い出とともに、微妙~な思い出も蘇りました。

 次はルノワールの「ガーンジー島の子ども達」です。
 
ガーンジー島の子どもたち

 ルノワールの名画には「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢の肖像」等少女を描いたものも多いですが、少女を描いた作品群の作品の中では、この子たちは取り繕った感じがなく素が出ているからこの作品が一番美しい。特に真ん中の子は優しいお姉さん感がとても良い!!明るい色彩で夏休みの楽しいバカンスの様子が伝わってくるこの季節にとてもふさわしい作品です。
  
 ルノワールもこの絵が気に入ったのか同じタイトルの絵があります。そのもう一つはバーンズコレクション(門外不出で有名)のものです。バーンズコレクションのにもこの4人は登場しますが、海水浴をしている人々と海の部分がこの絵より多く、島の海水浴場を俯瞰した感じで色彩は抑え気味です。
   
 さて、私は次男です。子供の頃兄というのは喧嘩になったら負けるし、いいようにいじられるしではっきりいって理不尽なものでした(今はそのようなことはないです)
 なので、姉がいる子がうらやましかったです。それをいまだに引きずっているのか年上の女(ひとと読んでください)に憧れます。。。だからこの絵がいい!!と言ってるのかもしれない。では良い週末を!!

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