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アングル 泉

 熱い日はまだ続きます。そこで見た目が涼しいアングルの「泉」を紹介します。

 泉

 今月22日まで山種美術館で展覧会が開催されていた福田平八郎は、水には金属的な美しさがあると言ったそうですが、磨き抜かれたような銀器にように美しい作品です。
 壺から流れ落ちる水、螺旋を描いて滴り落ちる水、そして水に反射する光が見ているでも涼しく、泉を擬人化した乙女の清らかさで涼しさが倍増。夏に愛でるのに相応しいです。
 
 新古典主義を代表するこの作品は、2005年に横浜美術館で行われたルーブル美術館展で見ましたが、(この作品自体はオルセー美術館が所蔵し、ルーブル美術館に寄託)世田谷区にある向井潤吉アトリエ館には向井潤吉が模写したアングルの「泉」が所蔵されているので、向井潤吉の絵と合わせて見ることは可能です。
 
 ちなみに昨年、向井潤吉のこちらも見ていて涼しい作品を紹介しているので合わせてご覧ください(こちら

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グスタフ・クリムト パラス・アテネ

 展覧会の前売り券はチケットショップで買う方も多いと思います。先々週行ったバン・ジョーンズの展覧会は1300円で買いましたが、会社近所のチケットショップで900円で売ってました。八重洲界隈のチケットショップは展覧会の前売りは他の地域より割高ですが、三菱一号館美術館とブリジストン美術館の展覧会は安く売っていたりします。

 「アスリート」をテーマにしたシリーズの最終はグスタフ・クリムトの「パラス・アテネ」です。

パラス・アテナ

 オリンピックと限らず、国際大会で結果を出す日本人アスリートは男子より女子の方が多い気がしてます。
 今回のオリンピックでは女子サッカーはメダルが期待できるし、女子レスリングも期待できます。また今回も我が母校の女性アスリートが陸上400M障害に出場し、OBとして応援しています。

 女性アスリートはいわば闘う女神。闘いの女神といえばアテネです。
 金色の甲冑はずばり金メダル。アテネの姿は試合に臨むアスリートのように凛々しいです。女性の裸婦像を手にしていますが、これは勝利の女神「ニケ」だそうです。まさに女性アスリートへの応援を現した作品といえます。

 グスタフ・クリムトは尾形光琳を始めとする日本の琳派に着想を得ているそうです、なるほどこの作品の華やかさはそれっぽいです。フェルナン・クノップフの影響も受けており、そう言われてみれば「ヴィクトリア」という作品(甲冑をまとった女性を描いた作品。画面右側に「ニケ」と思われる裸婦像を描いている)に似ているとも言えます。フェルナン・クノップフは好きな画家なので、影響を受けていると知りグスタフ・クリムトへの興味がわきました。

 余談ですがグスタフ・クリムトもフェルナン・クノップフも象徴派、岐阜県美術館では「開館30周年記念 象徴派 -夢幻美の使徒たち」という展覧会が開催で開催され、フェルナン・クノップフはもちろん、郡山市立美術館が所蔵するをウォ―タ―ハウスの「フローラ」も出展。さて、日帰りで行くべきか否か。。。。。思案してます。

このブログでは「愛」という作品も紹介しています(こちら

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橋本雅邦 龍虎図

 アスリートちなんだシリーズの第三弾は橋本雅邦で 「龍虎図」です。

龍虎図

 アスリート同士の激闘は「龍虎相撃つ」と形容されます。今回の五輪でもこの絵のような激闘を見てみたいものです。また、虎の咆哮がアスリートの勝利の雄叫びのようにも見えます。この実は龍が虎を祝福している図かもしれません。
 この作品は三の丸美術館が所蔵しています。作品が放つパワーが凄いので、虎年の生まれの私としてはお守りにしたいぐらいです。 静嘉堂文庫は同名の作品を所蔵しています。まだ見たことがないのでいつかは見てみたいものです。

 さて、中央の波は虎の咆哮が龍に向かって放ったソニックブームまたはパワーウェーブのように見え、かっこいいです。(見ようによってはポケモンのバトルのようにも見えます。。。 余談ですが、ソニックブーム、学生の頃ストⅡでよく使った技です。。。。。でも餓狼2の方が好きでした。

アルフォンス・ミュシャ 四芸術-舞踏

 ロンドン五輪まであと大体3週間となり、スポーツニュースもこの話題が増えてきました。
 普段スポーツ観戦しない私でもオリンピックは見ます。今回は体操の田中選手に期待しています。そういうわけで、アスリートをテーマにしたシリーズの第二弾はアルフォンス・ミュシャの「四芸術-舞踏」です。

2012年06月27日23時09分01秒0001

 新体操とかシンクロ等、アスリートは「美」を競い合う女神または妖精といえます。
 説明するまでもなく、ミュシャのこの作品はアスリートそのものです。

 つま先から肩にかけての曲線が魅力的です。ストールを持つ手のしぐさとオヤジ的発想で恐縮ですが、程良くむちっとした二の腕もセクシーです。。。。。ミュシャの描く女性は色っぽいですが、やらしくなくとても健康的です。前回は引き締まったボディが魅力的な作品を紹介しましたが、しなやかなボディもまたアスリートの証ということで紹介しました。
 たなびく髪がしなやかさをより引き立てます。新体操にたなびくリボンを用いるのはしなやかさを引き立てるからかもしれません。(しなやかさが魅力的な作品として、英一蝶の「布晒舞図」もお勧めです)
 
 私は二階堂高等学校の付属幼稚園に通ってました。この高校はスポーツが盛んで特に新体操が盛んです。幼稚園の頃体育館で練習する選手をたまに見ました。しなやかに動くさまは幼心にも美しかったです。

 さて、大阪府の堺市の堺市立文化館内にある「アルフォンス・ミュシャ館」は日本有数のコレクションを誇るそうです。美術館が多い東京に暮らしていますが、関西にも珠玉の美術館が多く、行ってみたい美術館の一つです。
(一番行きたいのは姫路市立美術館)ではよい週末を!!

「美」の女神を描いた作品として、ピュヴィス・ド・シャヴァンヌの「諸芸術とミューズたちの集う聖なる森」という作品も紹介しています(こちら

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