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パウル・クレー 山への衝動

 身近であったこと、感じたことをテーマにした絵画を紹介するブログではありますが、最近は子育てブログのような体になりつつあります。。。
 さて、最近見るテレビは圧倒的にEテレですが、幼児向け教育番組の視聴者からのイラストコーナーは抽象絵画そのものです。そこで今回紹介するのはパウル・クレー「山への衝動」です。

2014年02月02日21時50分05秒0001

 幼児の描くイラストはオレンジとか赤とか明るい色彩を基調にしたものが多いです。
 0歳児から2歳児をターゲットにした「いないいないば~」という番組は特にそうで、こういったイラストを見るにつけ連想するのがこの作品です。
 画用紙一面に赤、黄、オレンジを思い切り塗って花畑を表し、黒の線で楽しげな感情とかなんかの持ち物を、緑とかオレンジで「いないいないば~」のキャラクターを表している様は、「わんわんとう―たん(この番組のキャラクター)がお花畑で遊んでる」と説明がないと正直理解できません。

 幼児の絵は無邪気で形に捉われません。ものを単純化して描いているから意外と物事の本質をついてます。そしてパワーがあります。パウル・クレーのこの作品の魅力も同様です。
 晩年に描かれたこの作品は老いて病んでもでもなお衰えない創作意欲、画道に突き進むパワーが伝わってきます。この作品は国立近代美術館が所蔵してるのいます。会社帰りに行きやすいので見に行きたくなりました。ではまた!!
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アンリ・ルソー 赤ん坊のお祝い!

 ソチオリンピックが終わりました。羽生選手の金メダルは偉大ですが、浅田選手の演技は感激の涙です。勝負には勝ってます。
 さて、息子も選手達の活躍を見て触発されたのか、この週末に本格的に歩き出しました。そこで紹介する作品はアンリ・ルソーの「赤ん坊のお祝い!」です。

赤ん坊のお祝い!

 花と操り人形をもってドヤ顔をする赤ちゃんが微笑ましい作品です。
 我が家では散らかした広告やらおもちゃやらを持って立ち上がってドヤ顔をします。この週末頃からはそういうものを持ってよちよち歩きまわってます。
 赤ん坊の世話は、とにかく振り回されて、大人が操られている感じがするので、この絵はその様を表したのかもしれません。
 
 しかし、微笑ましい赤ん坊の絵を描いたアンリ・ルソーですが、子供は次々と亡くなる悲劇にあったそうです。そう考えると、この作品は微笑ましい!!というより鎮魂という見方もできます。
 このブログでは「セーヴル橋とクラマールの丘、サン=クルーとベルヴュの眺め」という作品も紹介しているので(こちら)よろしければどうぞ。1週間がんばりましょう!

瑞輪寺その2 台東区谷中

 2月11日に都立美術館で開催中の「日本美術院再興100年 世紀の日本画」に行きました。その後輪王寺 両大師堂をお参りし、その次に訪ねたのが谷中にある日蓮宗のお寺である瑞輪寺です。このお寺の近くに日本美術院があるので、お寺巡りと展覧会が好きな方は、「日本美術院再興100年 世紀の日本画」の後にこのお寺をお参りするのもよいでしょう。(小さい画像はクリックすると拡大します

 さて、このお寺は昨年も紹介しています。2月11日は曇りで時折雪が舞っていましたが、昨年お参りした時は快晴でした。(記事はこちら:この記事はこのブログで紹介している他の谷中のお寺をリンクしています)

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 小さい寺院が軒を連ねる谷中ですが、このお寺の本堂は堂々たる風格です。

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 本堂の彫刻はいわば若者のような勢いがあります。それもそのはずでこの本堂と彫刻は最近建立されたものだそうです。
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 御首題です。このお寺を開山した慈雲院日新上人は、徳川家康が幼少の頃、学問の師であったこともあって、葵の御紋が押されています。ここがとてもかっこいい!! 。

 さて、谷中は東京を代表する寺町なので、瑞輪寺周辺のお寺を紹介します。

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 こちらは長久院にある六十六部造立石造閻魔王坐像です。閻魔さまの石像は珍しいそうです。冬空のせいか引き締まって凛としています。

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 延寿寺の日荷堂です。「足病守護 日荷上人安置之所」と掲げられているように、このお堂には「健脚の神様」日荷上人が祀られています。履物を描いた絵馬がお堂の中の掲げられており、マラソンランナーに人気があるお寺です。

P1010832.jpg

 延寿寺の正面にある蓮華寺です。梅が奇麗だったので立ち寄りました。このお寺の赤門・本堂は江戸時代に建てられたものです。延寿寺と蓮華寺は事前に縁起とか境内の様子を調べずに行ったのが悔やまれるぐらい見どころがありました。
 谷中のお寺はいわば隠れた名店のようなお寺が多いようです。来週は浄名院を紹介します。

ジョルジュ・ド・ラ・トゥール いかさま師 (ダイヤのAを持った)

 星新一のショート・ショートにはまっています。短編集なので通勤の合間や寝る前にサックと読めるのもいいですが、どんでん返しの繰り返しで、どんな仕掛けが待ち受けているのかぞくぞくしながら読んでます。
 そこで今回紹介する作品はジョルジュ・ド・ラ・トゥールの「 いかさま師 (ダイヤのAを持った)」です。

2014年02月17日21時41分37秒0001

 最近読んだ作品は「7人の犯罪者」です。この作品もどんなどんでん返しが待ち受けているのかぞくぞくするところが魅力です。
 見るからに金持ちの若者が左側の3人によっていままさにはめられる、どんでん返しにあう瞬間を描いたところが、星新一のショート・ショートを読んでいるようなので紹介しました。

 レンブラント、フェルメール、カラバッジョらが築いた光と影の劇的な描写の集大成ともいえるジョルジュ・ド・ラ・トゥールの代表作です。
 とても写実的に描かれているのでこの背徳的な場所に自分がいるかのようです。悪女を描いた作品はいろいろありますが、中央の女の悪人面は怖すぎます。。この現場に自分がいたら、見て見ぬふりして逃げそうです。

 この作品はジョルジュ・ド・ラ・トゥールも思いれがとてもあり「いかさま師 (クラブのAを持った)」という作品もあるそうです。印象派、フェルメール、ラファエロ前派の展覧会もいいですが、ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの展覧会もまた開かれてほしいものです。   

  

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