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パウル・クレー スーパー・チェス

 会社近所の桜並木は紅葉しました。深川の運河に映える紅葉はいつ見ても風情があります。この季節は結構好きです。
 さて、チューリッヒ美術館展で見た作品を先週から紹介していますが、最終回はパウル・クレーの「スーパー・チェス」です。

2014年10月21日22時05分28秒0002

 子供の絵にインスピレーションを得た作風の作品もありますが、パウル・クレーはうねる線で構成された作品ばかりではありません。
 この作品は不思議な造形です。チェスの盤に見えますが、サイコロが並んでるようにも見えます。 また、階段にも見えます。草間彌生の描く永遠に増殖を繰り返す水玉のような立方体はいろいろな解釈を与えてくれます。

 この展覧会では抽象絵画の傑作も数多く出展されていますが、一番惹きつけられたのはこの作品です、理由ははいろいろな解釈を与えてくれて見ていて楽しいからです。皆様はどう解釈しますでしょうか? 
この3連休も残念な天気ですが、、、予報が外れるといいですね!!

 このブログで紹介している他の作品もどうぞ。
蛾の踊り
山への衝動
花ひらく木 花ひらいて 
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築土神社と靖国神社

 朝夕は冷え込み、気の早い銀杏はもう色づき始めてます。秋の第2幕、紅葉の季節はもうすぐですね。
 さて、10月16日は九段下から直帰だったので築土神社と靖国神社をお参りしました。

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 築土神社は940年に創建された平将門を祀る古社です。当初は現在の大手町にありましたが、太田道灌公の江戸築城、徳川家康の入府等を経て現在の場所に鎮座しています。

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 ビルの一角にありますが、参道は古代神殿のように趣です、大都会の景観にうまくはまってます。右の狛犬様は千代田区最古だそうです。

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 社殿です。夕方に写したので伝わりにくいですが、参道を抜けると青空を拝むことができる境内です。この神社の御祭神は平将門公ですが、戦前まではその御首を納めていた桶が伝えられていたそうです。神田明神も良いですが、靖国神社・皇居も近いこの神社も捨てがたいです。

IMG_0763.jpg

 都内の神社の菊祭りは11月からですが、靖国神社は10月16日からです。10月中は18時まで境内にある菊を見ることが可能です。黄昏時にライトアップされた大鳥居は昼間に見るより大きく見える気がします。

IMG_0762.jpg IMG_0760.jpg

 黄昏時という時間帯がなせるのか、ひとけがないせいか参道と境内はマグリットの絵画に迷い込んだかのように幻想的です。

IMG_0759.jpg

 菊の花々です。照明の明るさと夜の暗さのせいか鮮やかに映えていますが、、、時刻は17時50分。昼間に見るのとは違った美しさですが、慌ただしかったです。
 靖国神社の参道の銀杏は見事です。これからの季節が見頃です。(こちら)ではまた!!

ホドラー 真実 第2ヴァージョン

 現在、国立西洋美術館ではホドラーの展覧会が開催されていますが、国立新美術館のチューリッヒ美術館展でもこの画家の作品は展示されていました。今回紹介するのは「真実 第2ヴァージョン」です。

2014年10月21日22時05分28秒0001

 会場にある解説によると、男たちは「悪」の象徴だそうです。 男達は悪事を重ねた苦しみからのたうちまわっているようにも見えますが、許しを請う姿にも見えます。中央の女性はその苦しみから解放し悪事を許す超越的な存在である「神」の象徴といえそうです。

 さて、人は誰かに迷惑をかけずに生きることは実際は不可能です。意図するしないにかかわらず迷惑=悪をかけながら生きています。だから他人を許すことも必要です。ホドラーの作品のキーワードは「反復」ですが、人は反復される悪から逃れられないから許すことも必要であると説いてるのかもしれないです。

 ホドラーの名前は知っていましたが作品を見るのは初めてでした。幸い、国立西洋美術館は会社帰りに寄れそうなので近々行きます。ではよい1週間を!!

セガンティー二 虚栄

 19日に国立新美術館のチューリッヒ美術館展に行きました。近代絵画の変遷を知ることができる充実の展覧会でした。
 目玉はモネの「水連の池 夕暮れ」ですが、チューリッヒにある美術館のため、スイスにゆかりのある画家の作品が多く出展されていました。今週と来週はこの展覧会で見たスイスゆかりの作品を紹介します。まず展示室に入ってすぐの場所に展示されているセガンティー二の「虚栄」です。

2014年09月25日21時37分48秒0001

 この作品は3年前にも見たことがあります。
 同じくスイスゆかりのアンカーとは真逆で結構暗いテーマを描くことが多いようです。両親との関係が不幸だったからかもしれないです。
 セガンティーにはイタリア人です。ラテンの人の陽気さの裏には悲哀が隠れているらしいですが、この作品を見て納得しました。
 
 泉に映る乙女の姿を魔物にすることで、人の心の奥にひそむダークサイドな部分を表現した作品です。
 セガンティー二特有の明るい技法とアルプスの風景の眩しさ、乙女の美しさを魔物と対比することで人の心の奥にひそむダークサイドな部分が一層強調されてるみたいです。この作品の隣には「淫蕩な女たちへの懲罰」という後ろから殴られたような衝撃の作品もありました。
 
 セガンティー二は古典派的→印象派的→象徴派的な画風と変遷した行った画家です。次の3作品でそれを知るとができるのでよろしければどうぞ!では良い週末を!!
 
風笛を吹くブリアンツァの男たち
アルプスの真昼
生の天使

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