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月岡芳年 月百姿 その1

 9月24日に太田記念美術館で開催されていた月岡芳年の月百姿の展覧会に行きました。月が綺麗な季節なので、しばらくの間、月百姿の中から私がお勧めしたい作品を紹介していきます。

 まずは「南屏山昇月 曹操」です。

 南屏山昇月 曹操

 三国志の名場面といえば赤壁の戦いです。南屏山は諸葛亮が東南の風が吹くよう祈った場所として知られています。
 詩人でもあった曹操が月明りに照らされた長江を眺めながら吟じている場面と思いたいです。「蒼天航路」という曹操目線で描いた三国志の漫画が大好きなのでこの作品を紹介しました。

 次に「きよみかた空にも関のあるならば月をとゝめて三保の松原」です。

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 駿河に出陣した武田信玄が三保の松原で富士山と月を臨む場面を描いております。
 史実では、武田信玄は三保の松原に近い久能山に城を築いています。この城は後に久能山東照宮になります。案外この作品は久能山から三保の松原を見下ろしている場面を描いているのかもしれません。
 このブログは寺社巡りもテーマにしており、久能山東照宮は太平洋と富士山の雄大な景色を楽しめる神社(こちら)なので、皆さまにもお勧めしたいのでこの作品を紹介しました。
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名主の滝公園

 今年の夏は息子と昆虫採集して過ごしました。
 北区は豊島区と比べると緑が多い公園が多く、昆虫採集にはもってこいです。虫以外にもザリガニ、ヌマエビ、くちぼそ、トカゲを捕まえることもできます。今回は緑が多い公園の中で特にお勧めしたい名主の滝公園を紹介します。

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JR京浜東北線の王子駅から歩いて10分の場所にあります。

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門をくぐってすぐの場所にあるとんぼ池です。夏の虫といえばトンボですが、王子から滝野川界隈の公園でギンヤンマはこの公園でしか見ませんでした。

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この公園では運がよければカワセミを見ることができます。近くを流れる石神井川でも見たことがあります。

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都内に庭園は多くありますが、この公園ほど深山幽谷な場所はありません。

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武蔵野台地の突端である王子近辺はかつて「王子七滝」と呼ばれる7つの滝があったそうです。
この公園はそんな土地の風景を再現しております。

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園内には4つの滝があり、これはその中で最大の男滝です。ただし天然の滝ではなく10時から16時まで見ることができます。
夏はもちろんこれから紅葉の季節も素晴らしいです。王子駅からこう公園までの道中は王子神社王子稲荷神社の近くを通るので神社めぐりに併せて散策するもよし、武蔵野台地の突端に位置するので地形の妙を愛でるの良しです。是非お出かけください。

レンピッカ 「ピンクの服を着たキゼット」と「緑の服の少女」

  
 先日、ジョン・シンガー・サージェントの「 フィスク・ウォレン夫人(グレッチェン・オズグッド)と娘レイチェル」(こちら)を紹介したところ好評でした。
 そこで母と娘がテーマの絵画は他にないかと思い探してみたら、レンピッカとその娘キゼットを思いついたので紹介します。

 ピンクの服を着たキゼット

 「ピンクの服を着たキゼット」です。
 ピンク(といってもかぎりなく白い)の服は少女特有の初々しいエロスを引き立てます。西洋ではくつをぶらぶらさせるしぐさは誘惑を表すそうです。この誘惑はじわじわ魅かれていきます。小悪魔とはこういう子を言うのかもしれないです。

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 「緑の服の少女」です。
 この作品では大人な色気を堂々とした姿で描いています。いずれの作品も少女の肖像画は可憐、清楚という概念をぶち壊して挑発的です。レンピッカはこのような作品を通して、「なんだかんだいっても私の生きざまに魅かれてるのでしょ!」と言い放っているのではないかと思ってます。

 さてはレンピッカはいろいろ多忙で娘のキゼットとも滅多に会わなかったそうですが、この2作品以外にも娘を描いた作品は通あります。一見冷淡な母のようで、凡人には理解しがたいですが、これはこれで愛情の形だったのではないのかなと思います。

続日本橋寺社巡り その1

 2年前に日本橋寺社巡りと題して9回に亘り、この地域の寺社を紹介しましたが、今回よりその続編を始めたいと思います。
浜町を起点に時計回りに神社を紹介し、最後は三越周辺の神社を紹介するのでお付き合いのほどお願いします

 続編の第1回は浜町から箱崎町にかけての神社です。
 先ずは笠間出世稲荷の東京別社(こちら)の分社である笠間出世稲荷大明神です。明治座の脇にあり興業成功を祈るため建立されたと思われます。

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 次に元徳稲荷神社綱敷天満神社です。
 この神社は同町内にあった綱敷天満神社を合社たので、お稲荷様にしては珍しく「合格祈願」を前面にアピールしています
 元徳稲荷神社は、当地に屋敷のあった細川公が、墨田区立川3丁目にある元徳稲荷神社(こちら)の分霊を懇請して建立したものです。

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 続けて大廣神社です。大橋稲荷神社と末廣稲荷神社を合祀して、昭和42年1月に大廣神社と改称したそうです。
 創建は不明ですが、この地域は武家屋敷が多かったので屋敷神であったと思われます。祖父や祖母にも守られているような雰囲気なお稲荷までした。

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 日本橋中州にある金刀比羅宮です。日本橋で唯一(~町)とつかない町名です。
 この神社は関東大震災後にこんぴらさんを勧請したものです。江戸の水運の大動脈である隅田川に面した場所に水運の神様であるこんぴらさんを勧請した有志の方々は大変センスがよいです。
 さて、日本橋中州はかつて料亭が立ち並ぶ地域でした。現在は跡形もありませんがこの神社の玉垣がそのことを今に伝えております。今回紹介する神社では特にお勧めしたいです。

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次回は最近社殿を建て替えた水天宮と周辺のお稲荷様を紹介します。

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