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武蔵野陵 八王子市

 昨日は昭和の日だったので、昭和天皇の御陵がある「武蔵野陵」を紹介します。2015年5月の記事を再編集しております。
 なお、このブログでは神聖な場所は「寺社」とカテゴリーしております。御了承ください。
 
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 京王線の高尾駅から歩いて15分の場所に武蔵野陵はあります。神馬山への行楽客がごったがえす高尾駅ですが、武蔵野陵は閑静そのもの。この玉砂利が美しい参道の奥に大正天皇・昭和天皇の御陵があります。

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 大正天皇多摩陵です。最近はまっている漫画は「昭和天皇物語」です。この漫画に登場する大正天皇は第一皇子の未来を見据えていろいろな機会を与える慈父として描かれています。 

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 貞明皇后多摩東陵です。慈善事業を積極的に行い病弱な大正天皇を支えた聡明な女性だったとのことです。 

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 大正天皇と貞明皇后の御陵印です。御陵印は御陵をお参りした際に頂くことができますが、東日本では武蔵野陵のみです。
 文京区にある豊島岡墓地はそもそも一般公開されていないせいか御陵印がないようです。

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 左が昭和天皇武蔵野陵、右が香淳皇后武蔵野東陵です。

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 昭和天皇武蔵野陵です。
 中学の卒業式の数日後、父親とお参りにいったことがあります。大喪の礼からほんの数日だったのでかなりの人混みでした。
思えば私は平成元年に中学を卒業し高校に入学しました。昭和は少年時代の終わり、平成は青年時代の始まりでした。

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 香淳皇后武蔵野東陵です。穏やかなお姿はまさに国母といえます。
 ちなみ美智子妃殿下のお姿を見たことがあります。尊かったです。
 
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 昭和天皇武蔵野陵 香淳皇后武蔵野東陵の御陵印です。御陵の入り口にある事務所で無料で頂くことができます。10連休の後半に一味違った史跡巡りをしたい方、新時代の幕開けと同時に昭和に思いをはせたい方にはお勧めの場所です。
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ギュスターヴ・モロー 「出現」

 パナソニック汐留ミュージアムでは「ギュスターヴ・モロー展—サロメと宿命の女たち—」が開催されており、以前このブログでも紹介した「一角獣」(こちら)が2作品出展されていましたが、今回は紹介する作品は、ギュスターヴ・モロー といえばこれというべき「出現」です。

出現

 10数年前に、bunkamuraミュージアムの展覧会でも見ました。

 サロメが王の前で踊っている際にヨハネの首の幻を見たという図で、建物の輪郭がくっきりと描かれていますが、あまりにも強い光で色彩が消えて輪郭しかわからない感じを描いてみたのでしょうか?  私にはサロメがヨハネを調伏しているようにしか見えません。
 
 雷はプラスの電荷とマイナスの電荷が組み合った時に発生するらしいように、快楽(裸婦)と苦痛(暴力的なもの)といった相反するものが合わさると、ものすごい色気を放つ時があります。 空山基、山本タカトの作品がよい例です。
 ギュスターヴ・モローのサロメを見るたびに感じるインパクトの秘密はここにあるのかもしれません。

 さて、サロメを妖女・悪女として描く作品は多いですが、私はサロメを聡明かつ勇敢な女性として描いた塩野七生の「「サロメの乳母の話」が印象的です。このブログで紹介している他の作品もどうぞ!!

「聖ゲオルギウスと竜」(こちら
「聖なる象(ペリ)」(こちら
「岩の上の女神」(こちら) 

芝稲荷巡り⑦ 芝大神宮周辺

 芝稲荷巡りの第7弾は東京10勅社の一つ芝大神宮周辺のお稲荷様です。

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 まずは将藍橋付近にある瘡守稲荷大明神です。名前から察しのとおり、お参りするとはれもの・梅毒に罹らない御利益があるそうです。
 注目して頂きたいのは鳥居の左側にある石仏です。元禄年間に彫られたもので極めて状態がよいとのことです。
 この石仏様は町人文化が栄えた元禄、大地震が起きた安政、明治維新etcと江戸・東京の移り変わりを見守ってきたことになります。

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 メルパルクホール付近にある首尾稲荷神社です。元禄年間に病に苦しんでいたこの地の住民・田村三郎兵衛という人の夢枕に稲荷大神が現れ、その後病が治ったことから、稲荷大神を勧請し祀ったのが起源と言われております。

 芝神宮1

 先ほどの2社からほど近い芝大神宮は平安時代に建立された江戸のお伊勢さまと知られ、東京10社の一つでもある格式の高い神社です。

芝神宮2

 江戸時代に実際に起きた乱闘事件「め組の喧嘩」で知られる神社といこともあって、狛犬様には「め組」と彫られています。

ご朱印

 御朱印です。地名は時代とともに変わります。だからこそ人々が生きた証として地名のついた神社は尊いのです。
 
芝公園1

芝公園2
 
 今回もおまけで周辺の見どころを紹介します。 
 上は芝公園のもみじ谷という人工の渓谷です。スカイツリーと違い、東京タワーは足元に緑地がある分清々しいです。
 下は芝公園の中に鎮座する如意輪観音様です。芝公園石仏が数尊いらっしゃるようです。

ロセッティ ウェヌス・ウェルティコルディア(魔性のヴィーナス)とシビラ・パルミフェラ

 三菱一号館美術館で開催中の「ラファエル前派の軌跡」展の目玉はロセッティの「ウェヌス・ウェルティコルディア(魔性のヴィーナス)」です。
 
2019年04月07日10時54分42秒0001

 この作品が展示されてる部屋は写真撮影可能でした。
なお、その部屋で展示されている作品のうち絵葉書になっている作品はこれのみでした。

 ウェヌスは愛の神なので、背景には愛の象徴である薔薇が、画面下部には同じく愛の象徴であるスイカズラが隈なく一面に描きこまれています。
 この作品では、ウェヌスは男性を愛と官能の虜にして破滅に導く魔性の女として描かれています。
 画面右上には一羽の鳥が、そして林檎や矢、ニンブスの周囲には蝶が描かれています。これらは、いずれもウェヌスの魅力の虜となった男たちの「魂」の象徴だそうです。愛欲のはてにあるのは身の破滅ということが伝わります。 

 さて、ロセッティの作品をおまけにもう一作品。
 
2015年12月31日21時33分02秒0001

 2015年12月に渋谷の文化村ミュージアムで開催された「英国の夢 ラファエル前派展」に展示されていた「シビラ・パルミフェラ」という作品です。
 超越的な「美」の偶像として描かれた玉座に座る女性単身像。シビラ・パルミフェラとはヤシを持つ巫女のことで、ロセッティは レイディ・リリス(こちら)の「肉体の美」に対して、パルミフェラの巫女に「魂の美」を描いたそうです。 ヤシは美の勝利を表します。左側には愛を象徴する目隠しされたクピドと薔薇、右側には死の運命を暗示するポピーと頭蓋骨、そして魂の象徴である蝶が描かれています。
 
 並べてみると先ほどの作品は愛欲にまみれると身の破滅、こちらは理性を保つことの大切さを説いてるようにも見えます。
 いずれの作品もモデルは同一人物です。とても気が強そうです。だからこそこちらの魂を捕られそうな強そうな魂の持ち主であることが伝わります。
  超イケメンで恋愛に長けていいるロセッティは超美人をモデルにすることは容易いことと推測できますが、画家が魂を込める作品には「魂」が強い女性をモデルにしたようですね。

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