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キース・へリング 

 「羊をめぐる冒険」の続編「ダンス・ダンス・ダンス」も読みました。
 キース・へリングの作品はこの小説を連想するので紹介します。

キース・へリング

 「ラディアントベビー」と呼ばれるキース・へリングのアイコンともいうべき作品です。
 この小説は東京ディズニーランドが開園した年が舞台です。私は小学校3・4年生の頃です。この時代に脚光を浴びたのがキース・へリングです。小説の主人公もキース・へリングのバッチを身に着けています。

2012年11月07日22時17分02秒0001

 もう一つ有名なアイコンは踊る犬です。この小説のタイトルでもあり、キーワードは「踊る」なので合わせて紹介しました。
 
  「ダンス・ダンス・ダンス」は、当時流行っていた洋楽が度々登場したり(YESは登場してないな、、、)、 主人公は渋谷や麻布で飲んでたりと一見オシャレな小説ですが、常に「死」がつきまとい、読んで華やいだ気分になるものではありません。「喪失」を抱えて生きる主人公の気持ちがよく理解できるので我がことのように読みました。

 今回この2作品を紹介したのは80年代を象徴するからでもありますが、私はキース・へリングが夭折したこともあって「死」のイメージを持っています。 華やかに見えつつも「死」という喪失がつきまとうところが、「ダンス・ダンス・ダンス」の世界観に合っていると思い紹介しました。
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三田線沿線の教会

 寺社巡りのブログは数多くあれど、私のブログの特徴は下町の街角のお稲荷様の記事が多いこと、そして教会巡りの記事も多いことといえます。
 そこで、私の住む三田線沿線は教会も多い地域なので、3箇所の教会を紹介します。
 
 まず紹介するのは「本聖公会東京教区東京諸聖徒教会礼拝堂」です。
 寺社の多い文京区ですが教会も多いです。この教会は三田線千石駅から護国寺の方へ歩いて10分から15分程の場所にあります。

 P1010663.jpg
 

 同じ文京区にある根津教会・聖テモテ教会と比べると、シンプルながらも重厚な印象です。教会が放つ神聖な雰囲気も良いので寺社巡り好きな方々にもお薦めしたいです。

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 登録有形文化財に指定されている教会で、THE山の手といった住宅地に溶け込んでいます。撮影のとき電線が邪魔と思いましたが、欧米の方は漫画の風景と同じだということで意外と電線と電柱うけているらしいです。

 次に紹介するのは「ロシア正教会駐日ポドヴォリエ」です。三田線千石駅から六義園方面に歩いて10分です。

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 端的にいえば、ロシア正教の日本本部ともいうべき建物です。戦前に建てられたもので、もともとは「ロシア民間人クラブ」だったそうです。

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 「文京区 近代建築物」で検索すると、お屋敷街だったので個人宅、学校等、戦前からの建築物が多く残っていることがわかります。中には文化財となっている個人宅もあるようです。この教会がある文京区本駒込界隈はお屋敷街である文京区の面影を色濃く残している地域です。

 最後に三田線新板橋駅から歩いて10分、JR埼京線の板橋駅から歩いて5分の東京都北区滝野川にある日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団の神召キリスト教会です。

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 昭和2年に建てられました。シンプルで親しみやすい意匠は、子供の頃から知っている近所のおじさん・おばさんに会うような気さくさを感じます。

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 板橋駅から巣鴨駅にのびる旧中山道は昭和な街並みが残っており、この教会は冒頭の2つと異なり庶民的な街並みに溶け込んでいます。
 キリスト教徒でもなく、教会の建築様式には疎いですが、神聖な雰囲気が良いので寺社巡り好きな方々にもお薦めしたいです。

カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ 雪の中の巨人塚

 村上春樹の「羊をめぐる冒険」を読みました。学生の頃は単なる気取りで読んだのですが、喪失を抱えて生きることの大変さが理解できる今日この頃はこの小説に共感しています。
 そこで今回は私がこの小説をイメージしたカスパー・ダーヴィト・フリードリヒ「雪の中の巨人塚」を紹介します。

2017年01月29日21時45分39秒0001
 
 ドイツ人画家が描いているので、この塚は古代のゲルマン人が建立したものでしょうか?この塚は人々から大事にされ、注目されていたに違いないですが、輝かし日々は喪失されたままです。
 しかし、幾年の風雪を耐えた石塚には威厳も感じます。この作品は夏の風景を描いたものもあるそうですが、つらい日々を乗り越えたら一回り成長して、再び良い日々が訪れることを連作にして表したのかもしれないです。
 
 この画家は喪失を抱えた人生を送っています。このあたりが「羊をめぐる冒険」を連想しました。 また、小説では主人公が雪の積もる北海道の山荘に籠って友人を待ち続け、最後の別れをする場面がクライマックスです。
 この絵画は小説のクライマックスシーンも連想したので紹介しました。

このブログで紹介しているほか作品もどうぞ!
月を眺める2人の男
窓辺の婦人
朝日のあたる村の風景(孤独な樹)

似たようなモチーフの作品、アンドリュー・ワイエスの「火打石」もどうぞ!

葛飾八幡宮 千葉県市川市

 5月25日に千葉県市川市にある葛飾八幡宮をお参りしました。
 特有の景観がある一見の価値がある神社でした。

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 まずは禁足地として名高い「八幡の藪知らずの」こと「不知八幡森」です。葛飾八幡宮の一の鳥居近くにあります。 
 「この藪に足を踏み入れると二度と出てこられなくなる」という伝承があり、今でも立ち入り禁止です。

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 この地が禁足地になった由来は諸説ありますが、平将門の墓地、平将門の家臣の墓所、将門征伐のために布かれた八陣の法の跡等、平将門が関係した説が多いです。このような場所が今なおあること自体が奇跡としかいいようがないです。 

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 葛飾八幡宮は下総の国総鎮守です。市川市はかつて下総国の国府がありました。
 この神社特有の二つ目は参道を横切る京成電鉄の踏切です。線路の近くにある神社をこのブログでも紹介していますが、大手私鉄の車両が横切る神社は初めてです。

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 随神門です。鮮やかな朱色が新緑に映えて美しいです。
 この門は、明治維新まで当神社の別当寺である法漸寺の山門でしたが、明治維新の廃仏毀釈によって、随神門と改称。
 両袖に安置されていた仁王像は行徳の徳願寺に遷され、現在の随神が奉安されたとのことです。
 
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 この神社は寛平年間(889-898)宇多天皇の勅願によって勧請された古社で、 平将門、源頼朝、太田道灌、徳川家康と錚々たる武将達の崇敬されました。

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 社殿は私好みの質実剛健な意匠です。

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 社殿向かって左側にある江戸時代末期に奉納された大絵馬です。御祭神である神功皇后と、応神天皇に仕えた功臣・武内宿禰が描かれています。

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 三つ目の景観は、御神木である「千本公孫樹」です。樹齢は1200年!まさに神様です。この神社をお参りした第一の目的はこのご神木様です。
 昨年秋の台風による塩害で枯れたという話を聞きましたが、立派な新緑に覆われており生命力の凄さを感じます。

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 4つ目は鐘楼です。神社の境内にあるのは珍しいです。これは神仏習合時代の名残です。

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 この神社には富士塚もあります。

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 境内は白い砂が敷かれ庭園そのもの。この日は良く晴れていたので神聖な光をいっぱい浴びました。

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 最後に御朱印です。私にとっての令和初の御朱印です。
 23区の神社では見ることがない独特な景観が魅力的な神社です。日暮里駅から特急で20分とアクセスよしです。
 近隣の中山法華経寺と合わせてお参りすることをお勧めします。

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