アルベール・アンカー 少女と二匹の猫
まもなくひな祭り、女子のお祭りの日ですね。そこで今回は美少女を描いた作品を紹介します。
スイスの画家アルベール・アンカーの「少女と二匹の猫」と「髪を編む少女」です。いずれの作品も2007年12月に渋谷Bunkamura ザ・ミュージアムで行われた展覧会(日本初)で見ました。

三毛猫は日本では珍しくない猫ですが、欧米では珍しいそうです。ということはこの絵もジャポニズムの影響下にあるということでしょうか?
猫をかわいがる少女の作品として、以前、月岡芳年の「風俗三十二相うるささう」を紹介しましたが、この女の子はこの子より理知的なようです。真正面を向いている三毛猫が特に可愛い、理屈抜きでなごむ作品です。

マザーグースに「男の子は何で出来てるの?カエル カタツムリ 小犬の尻尾 」「女の子は何で出来てるの? 砂糖 スパイス 素敵な何か」という詩がありますが、この作品を見ていると納得します。かわいいを通り越して美しいです。
アンカーは17世紀のオランダ絵画を想起させる室内情景や子供、農民などの日常風俗で親しまれています。この画家が活躍した19世紀末は印象派や象徴派等、新しい画風・作品世界を作ろうと多くの画家がパリで活躍していました。 この画家も30年パリで暮らしていたそうですが、一貫して古典的な画風を保っていました。
農民の日常風景を描いた同時代の絵といえばバルビゾン派と言われる画家達が挙げられますが、この画家は晩年に実は参加したかったと語ったそうです。かのゴッホも一目置いたと言われるアルベール・アンカー、展覧会で見る機会が訪れたら是非見るべきです。
スイスの画家アルベール・アンカーの「少女と二匹の猫」と「髪を編む少女」です。いずれの作品も2007年12月に渋谷Bunkamura ザ・ミュージアムで行われた展覧会(日本初)で見ました。

三毛猫は日本では珍しくない猫ですが、欧米では珍しいそうです。ということはこの絵もジャポニズムの影響下にあるということでしょうか?
猫をかわいがる少女の作品として、以前、月岡芳年の「風俗三十二相うるささう」を紹介しましたが、この女の子はこの子より理知的なようです。真正面を向いている三毛猫が特に可愛い、理屈抜きでなごむ作品です。

マザーグースに「男の子は何で出来てるの?カエル カタツムリ 小犬の尻尾 」「女の子は何で出来てるの? 砂糖 スパイス 素敵な何か」という詩がありますが、この作品を見ていると納得します。かわいいを通り越して美しいです。
アンカーは17世紀のオランダ絵画を想起させる室内情景や子供、農民などの日常風俗で親しまれています。この画家が活躍した19世紀末は印象派や象徴派等、新しい画風・作品世界を作ろうと多くの画家がパリで活躍していました。 この画家も30年パリで暮らしていたそうですが、一貫して古典的な画風を保っていました。
農民の日常風景を描いた同時代の絵といえばバルビゾン派と言われる画家達が挙げられますが、この画家は晩年に実は参加したかったと語ったそうです。かのゴッホも一目置いたと言われるアルベール・アンカー、展覧会で見る機会が訪れたら是非見るべきです。
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西福寺 北区豊島
2月11日に北区豊島にある西福寺とその近所にある神社をお参りしました。

まずは仁王門です。最近修復されたらしく色鮮やかです。

天井絵は優雅に舞う天女達です。最近のお寺は味気ない建物に作り直すお寺も多い中で、信仰心を起こすような修復をしたところが素晴らしいです。


仁王様です。上の画像の左側の龍の尾に注目頂きたいです。


風神様・雷神様です。線対称上に龍の御顔があります。門をくぐることで龍神様の胎内を巡ったような演出と解釈しております。
このような意匠の門は大変珍しく、寺社にある龍の彫刻を愛でることが目的の方々には是非是非お勧めしたいです。

中門です。本堂とは廻廊で繋がっています。
門前には中華風の狛犬様がいらっしゃります。お寺にある狛犬様(境内社にあるものは除く)は結構な確率で中華風の狛犬様が多い気がします。
このお寺は聖武天皇の時代に創建されたという伝承がありますが、平安時代末期から鎌倉時代初期に豊島清光が開基し、清光が娘の菩提を弔うために建立した阿弥陀仏を祀っております。
この阿弥陀仏は6体あるといわれ、江戸時代に霊場になりました。このお寺は江戸六阿弥陀霊場1番札所でもあります。
北区豊島という場所にあることからお察しのとおり、この地は中世の東京を治めていた豪族である豊島氏の発祥の地です。このブログでよく登場する豊島氏の発祥地に前々から興味があり今回お参りをしました。次回は西福寺の続きと近所にある神社です。

まずは仁王門です。最近修復されたらしく色鮮やかです。

天井絵は優雅に舞う天女達です。最近のお寺は味気ない建物に作り直すお寺も多い中で、信仰心を起こすような修復をしたところが素晴らしいです。


仁王様です。上の画像の左側の龍の尾に注目頂きたいです。


風神様・雷神様です。線対称上に龍の御顔があります。門をくぐることで龍神様の胎内を巡ったような演出と解釈しております。
このような意匠の門は大変珍しく、寺社にある龍の彫刻を愛でることが目的の方々には是非是非お勧めしたいです。

中門です。本堂とは廻廊で繋がっています。
門前には中華風の狛犬様がいらっしゃります。お寺にある狛犬様(境内社にあるものは除く)は結構な確率で中華風の狛犬様が多い気がします。
このお寺は聖武天皇の時代に創建されたという伝承がありますが、平安時代末期から鎌倉時代初期に豊島清光が開基し、清光が娘の菩提を弔うために建立した阿弥陀仏を祀っております。
この阿弥陀仏は6体あるといわれ、江戸時代に霊場になりました。このお寺は江戸六阿弥陀霊場1番札所でもあります。
北区豊島という場所にあることからお察しのとおり、この地は中世の東京を治めていた豪族である豊島氏の発祥の地です。このブログでよく登場する豊島氏の発祥地に前々から興味があり今回お参りをしました。次回は西福寺の続きと近所にある神社です。
マグリット 大家族
絵画鑑賞の素晴らしさは精神的に「自由」になれることです。
そこで今回紹介する作品はマグリットの「大家族」です。

この作品は曇天の中から晴天が見えることから絶望から希望が叶う時が来る予感に見えますが、その逆で不穏の予兆にも見えます。
羽ばたく鳥から幸運の予兆にも見ますが、いろいろなしがらみに絡めとられたようにも見えます。
世の中、いろいろな考えがあるけどかくあるべしという固定観念にとらわれています。確たる決意は人生にプラスですが多くの場合、かくあるべしという固定観念は足かせで、悩みの元でもあります。
そんな時絵画を眺めていろいろな解釈を考えているとかくあるべしという固定観念から自由になります。
特にマグリットは作品のタイトルが固定観念から外れているのでいろいろな解釈が可能です。マグリットの作品は見れば見るほど
固定観念にとらわれていることの愚かさと精神的に自由でいることも楽しさを感じます。
この作品は宇都宮美術館が所蔵してるので日本で見る機会も多く、マグリットのアイコンといえば羽ばたく鳥であるため紹介しました。このブログで紹介している他の作品もどうぞ!!
「Pompo Pompo Pom Po Pom PoN」
「光の帝国Ⅱと光の帝国」
「ゴルコンダ」
そこで今回紹介する作品はマグリットの「大家族」です。

この作品は曇天の中から晴天が見えることから絶望から希望が叶う時が来る予感に見えますが、その逆で不穏の予兆にも見えます。
羽ばたく鳥から幸運の予兆にも見ますが、いろいろなしがらみに絡めとられたようにも見えます。
世の中、いろいろな考えがあるけどかくあるべしという固定観念にとらわれています。確たる決意は人生にプラスですが多くの場合、かくあるべしという固定観念は足かせで、悩みの元でもあります。
そんな時絵画を眺めていろいろな解釈を考えているとかくあるべしという固定観念から自由になります。
特にマグリットは作品のタイトルが固定観念から外れているのでいろいろな解釈が可能です。マグリットの作品は見れば見るほど
固定観念にとらわれていることの愚かさと精神的に自由でいることも楽しさを感じます。
この作品は宇都宮美術館が所蔵してるので日本で見る機会も多く、マグリットのアイコンといえば羽ばたく鳥であるため紹介しました。このブログで紹介している他の作品もどうぞ!!
「Pompo Pompo Pom Po Pom PoN」
「光の帝国Ⅱと光の帝国」
「ゴルコンダ」
亮朝院と周辺の寺社
前回紹介した亮朝院の続きです。

1850年に建てられた本堂です。簡素ですが仕立てのよいスーツのような上品さです。

都内のお寺には珍しい鐘楼門です。こちらは昭和54年に建てられたものです。ドムのような重厚さが魅力的でした。
江戸時代の木造建築、石造りの仁王様、都内では珍しい鐘楼門と見所が満載でした

早稲田天祖神社は先ほどの鐘楼門からみて神田川方面に進み左折した場所にあります。

石造りの手水舎です。素朴な美しさがあります。

豊臣秀吉の遺臣小泉源兵衛らが大坂夏の陣後江戸に逃れ、この地を開拓。その際建立したそうです。
新宿区というと歌舞伎町、都庁と人だらけでギラギラした街と思われがちですが江戸時代以来の古い町名が残る閑静な住宅街でもあります。コロナが落ち着いたら本格的に寺社巡りをしたと今回の寺社巡りで思いました。

さて、こちらは神田川を渡り豊島区にある高田氷川神社です。創建年代は不明ですが、在原業平がお参りしたことがあるという伝承があります。この神社は多種多様な御朱印で知られています。なお、境内は撮影禁止なので敷地外から撮影しました。

高田氷川神社の正面と言ってもよい場所にある南蔵院の石仏です。
この寺社の近くには都内有数の急峻な坂道として知られている「富士見坂」と目白不動こと金乗院があります。(こちら)

1850年に建てられた本堂です。簡素ですが仕立てのよいスーツのような上品さです。

都内のお寺には珍しい鐘楼門です。こちらは昭和54年に建てられたものです。ドムのような重厚さが魅力的でした。
江戸時代の木造建築、石造りの仁王様、都内では珍しい鐘楼門と見所が満載でした

早稲田天祖神社は先ほどの鐘楼門からみて神田川方面に進み左折した場所にあります。

石造りの手水舎です。素朴な美しさがあります。

豊臣秀吉の遺臣小泉源兵衛らが大坂夏の陣後江戸に逃れ、この地を開拓。その際建立したそうです。
新宿区というと歌舞伎町、都庁と人だらけでギラギラした街と思われがちですが江戸時代以来の古い町名が残る閑静な住宅街でもあります。コロナが落ち着いたら本格的に寺社巡りをしたと今回の寺社巡りで思いました。

さて、こちらは神田川を渡り豊島区にある高田氷川神社です。創建年代は不明ですが、在原業平がお参りしたことがあるという伝承があります。この神社は多種多様な御朱印で知られています。なお、境内は撮影禁止なので敷地外から撮影しました。

高田氷川神社の正面と言ってもよい場所にある南蔵院の石仏です。
この寺社の近くには都内有数の急峻な坂道として知られている「富士見坂」と目白不動こと金乗院があります。(こちら)