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伊藤若冲 鳥獣花木図屏風(右隻)

 日本を代表する動物達を描いた作品といえば鳥獣戯画ですが、伊藤若冲も忘れてはいけません。
 今回紹介する作品は「鳥獣花木図屏風(右隻)」です。

鳥獣花木図屏風(右隻)

 伊藤若冲の最高傑作品です。伊藤若冲は動物を描いた作品が多いですがどれも生命の愛しさ・美しさが伝わりますが、この作品は特にそのことが伝わります。
 
 天才は未来を予想するような作品を残します。CGはいわばドットの集合体。この作品もドットの集合体です。伊藤若冲はCGを予見したのか?と思いたくなります。

 静岡県立美術館にも同様の作品があります。購入時は価値はあるの?という議論があったそうですが、伊藤若冲の人気が高い昨今、購入した担当者の先見性は素晴らしいです。伊藤若冲の動物を描いた他の作品もどうぞ!

 鼠婚礼図
 象と鯨屏風図
 老松白鳳図
 海棠に目白図と大鶏雄雌図
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蓮沼氷川神社 板橋区蓮沼町

 南蔵院は桃の花が多く咲いていましたが、本堂の裏手はまだ桜がさいていました。
 このお寺の次に蓮沼氷川神社をお参りしました。

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 蓮沼氷川神社は南蔵院の隣にある神社です。

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 慶長年間に現在のJR埼京線浮間舟渡駅の西側に創建され、享保年間に南蔵院とともにこの地に移転しました。

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 移転の理由は、当初創建された場所が荒川沿いにあり度重なる水害を避けるためです。
 水害による移転を繰り返したことから十度の宮とも呼ばれております。

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 寺社にある庚申塔、常夜灯、灯篭も良いですが最近は石祠に注目しています。都心の神社ではあまり見かけないからです。
 
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 この神社は元々荒川の近くにあり「十度の宮」と呼ばれている同源の神社が2社あります。蓮根氷川神社と舟渡氷川神社です。
 氷川神社は荒川流域に分布しています。板橋区と埼玉県は荒川を境にしているから「氷川神社」が多いです。ちなみに板橋区並みに「氷川神社」が多い足立区は元々は荒川が作った湿地帯でした。
 23区は区毎に成り立ちが異なること、神社はその土地の成り立ちの証人であることを再認識しました。

鳥獣戯画

 4月16日に国立博物館で開催中の鳥獣戯画展に行きました。
 鳥獣戯画の甲乙丙丁が揃った充実の展覧会です。今回はとくに有名な「甲巻 第16紙後半 - 第18紙」、ウサギを投げ飛ばすカエルの図です。

2021041600011.jpg

 鳥獣戯画といえばこの図ですね。 
 平日の開館と同時に入館したので落ち着いて見ることができました。動物達の擬人化された様がユーモラスな名画ですが、圧倒的にウサギとカエルであることには何の意味があるか?キツネもよく登場しますが、対となるタヌキは見当たらない等が少し気になるところです。

 鳥獣戯画は擬人化された動物以外にも庶民がいろいろな娯楽に興じる様も描かれていおります。フェルメールの時代の洋画は快楽への戒めの意味を込めて娯楽に興じる様を描いているように、お寺が描く絵画だからこれらは現世で遊んでばかりではいけないという戒めを描いていると私は思っております。
 鳥獣戯画も良いですが、京都の高山寺が所蔵する子犬の彫刻も展示されています。これも見逃せません。しばらくの間絵画ネタは動物を描いた作品を紹介します。 

エミール・クラウス ピクニック風景

 屋外で過ごすのが心地よい季節です。そこで今回紹介する作品はエミール・クラウスの「ピクニック風景」です。

ピクニック風景

 この作品は2010年にBunkamuraで開かれた、「フランダースの光ベルギーの美しき村を描いて」展で観ました。
 西洋絵画で誰が一番好きか?と聞かれたらエミール・クラウスと答えます。理由は見ているだけで明るい気分になれるからです。モネ・ルノアールとは一味違った光の描写は白眉です。
 大原美術館のHPにあるエミール・クラウスの紹介文によると、エミール・クラウスはモネと親交がありました。また、大原美術館のコレクションを収集した児島虎次郎氏はエミール・クラウスの弟子です。

 爽やかな光がそそぎ薫風香るという言葉が似合う作品です。階級社会を描いた(手前に農民、向こう岸にブルジョワ)という解説もありましたが、慎ましい農民達の様は優しい気分になります。優しくそそぐ光、薫る風も伝わってくるのでそのような政治的な解釈はどうでもよくなります..
 
 子供の頃、4月から5月の晴れた日は多摩川に釣りに行ったものです。また独身の頃はサイクリングにはまっていて、多摩川の河川敷をサイクリングしたものです。
 河原は開放的な空間なので普段都会に暮らしていると時に恋しくなります。このブログで紹介している他作品と彼の弟子の作品もどうぞ!!

 「晴れた日」・弟子のアンナ・ド・ウェールトの「6月の私のアトリエ」(こちら

「夏の日中」と「夏の朝」(こちら

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