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山本太郎 春今山水図

 6月15日に佐藤美術館で開催された「収蔵品展-現代作家の描く風景-」へ行きました。この展覧会は撮影が可能でした。
 前回は私が推す女性の日本画家を作品を紹介しましたが、今回は男性の日本画家です。山本太郎で「春今山水図」です。

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 能や日本画の名作に現代的な解釈・諧謔的な解釈を加えた見て楽しい作品が多いです。
 この画家も同世代です。この画家の個展に行った際、作品を解説していただいたことがあります。このブログでは現代作家の紹介が多いですが、お会いしてお話を聞いたことがある唯一の画家なので親近感はダントツです。

 昼なのか夜なのか分からず、海上に突き出した島のようにも見えますが雲海にそびえる山にも見える不思議な作品です。
 いうまでもなく環境破壊を風刺した作品ですが、不思議な作風のせいか説教臭さを感じません。生えている松の根っこが足のように見えるので、環境が破壊されてやってられか!と言わんばかりに逃げ出しているに見えました。
 このブログでは「花下遊楽図」と「羽衣バルーン屏風」を紹介しています。よろしければどうぞ!
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箭弓稲荷神社その2 埼玉県東松山市

 前回は彫刻を紹介したので、今回は境内の様々なお稲荷様を紹介します。

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 三の鳥居のお稲荷様は凛々しく衛兵のようです。

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 社殿付近のお稲荷様は坂東の大地を駆けるかのようです。

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 境内社の穴宮稲荷です。七代目市川団十郎が特に信仰したことから、団十郎稲荷とも呼ばれています。

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 手前は丸々と可愛らしいお稲荷様です。小さく写っている白いお稲荷様は妖しさが漂っています。

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 前回は龍の彫刻の素晴らしさを紹介しましたが、こちらは鯉の彫刻です。

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 社殿の中に鎮座しているお稲荷様は威厳があります。

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 巨大な弓矢はこの神社の謂れによるものです。
 この神社は平安時代に平忠常の追討を命ぜられた源頼信がこの地に陣を張り、すでにあった当社「野久稲荷大明神」に祈願した際、白羽の矢のような形をした白雲が起って敵陣の方へ飛んだのを見て神様のお告げと感じたそうです。頼信はこれを喜び凱旋の際、立派な社殿を再建し名前を「箭弓稲荷大名神」としたそうです。

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 御朱印です。隈取りがある御朱印は大変珍しいですね。
 前回ご紹介したとおり、この神社は駅からのアクセスがいいので特に神社の彫刻が好きな方には特にお勧めしたいです。

奥村美佳 めぐる

 6月15日に佐藤美術館で開催されている「収蔵品展-現代作家の描く風景-」に行きました。
 この展覧会で見た作品を3回にわたり紹介します。まずは奥村美佳の「めぐる」です。

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 奥村美佳は私と同年代の日本画家なので親近感を感じており、最も推す女性の日本画家です。
 この作品は山頂から見る景色に感じる高揚感と似た感動を覚えるとともに、豊かな森は豊かな海を造ることから自然の恵みは巡り巡っていることを描いているとも感じました。

 また、大河から「逝く者は斯の如きかな昼夜を舎かず」という言葉も思いつきました。
 しかし、この作品から感じたことは大きなものに見守られている安堵感です。私が奥村美佳を推すのは安堵感が伝わる作風だからです。このブログでは他に2作品紹介しているのでよろしければどうぞ

箭弓稲荷神社その1 埼玉県東松山市

 5月4日に埼玉県東松山市にある箭弓稲荷神社をお参りしました。

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 「やきゅう」と読むので野球に御利益があることと牡丹の名所として知られますが、彫刻の素晴らしさも有名です。

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 三の鳥居の扁額です。小さな龍神様が蠢いています。

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 彫刻が有名な社殿です。社殿の重厚さが良いです。江戸時代の享保から天保にかけて造営されたものです。

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 東側脇障子の彫刻は黄石公に靴わを渡す若き日の張良です。この神社は幾何学的な地紋彫が美しいです。

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 東側花頭窓周縁の双龍です。花頭窓の彫刻もまた有名です。

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 腰組の龍頭です。龍以外にも水に住む各神獣が彫られていました。

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 「仙人の烏鷺」です。仙人同士の対極を木樵が観戦しています。 仙人の対局時間は、悠久の時を経過していて、木樵の担いでいた斧の柄が腐ってしまったことから、仙人と比べ人間の寿命は短い。些細な争いなどはせずに大切な時間を有効に過ごしなさい...という教訓だそうです。

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 本殿・尾垂彫です。最上段が蜃、中央部が龍、下段が貘です。貘は悪夢や刀などの金属を食べることから、争いのない平安な世を希求するといわれております。

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 項羽と劉邦の「奇計楚兵を走らす」の彫刻です。劉邦は英雄ですが、、、漢建国後の「狡兎死して走狗烹らる」という言葉に象徴される功臣粛清は引きますね。

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 平安時代の刀工、三条小鍛冶の彫刻です。龍の彫刻は勇ましい坂東武者のようです。この神社は駅から歩いて5分という好立地のためお参りに行きやすいのも魅力です。次回は境内の様々なお稲荷様達を紹介します。

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