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フェルメール 信仰の寓意

 4月3日に国立新美術館で開催中の「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」に行きました。
 今年はフェルメールの作品が2点同時期に来日しています。そこで今回紹介する作品は「信仰の寓意」です。

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 「絵画芸術」とともに、フェルメールが描いた現存する二点の寓意画のうちの一つです。
 右手を胸元に置いているポーズは異教徒である私でも宗教画のある天の啓示とか信仰への目覚めを一目で感じるぐらい劇的です。また、フェルメール作品の女性は日常的な表情ですが、この作品では恍惚とした表情で描かれており、今まで見た作品とは一味違うことを感じました。

 描かれている各寓意はカトリック教義のものとのことです。プロテスタントが多いオランダでなぜこのような作品が描かれたのか疑問に思い、またどこか抑え気味と感じました。
 会場にある解説によると、当時のオランダは公式な場ではカトリックは禁止であったが、家庭内では容認されていたそうです。また、フェルメールもカトリックだったそうです。展覧会の会場にある宗教画はカトリックの尊さを一目で感じさせるように絢爛であるのに対して、この作品はどこか抑え気味に感じたのは大ぴらにカトリックであることを言えない事情があったからかもしれません。

 この作品が展示されているエリアにはフェルメールと一緒に来日するピーテル・デ・ホーホの「女主人への支払い」という作品が展示されていました。「信仰の寓意」が「聖」な場面を描いたものですが、「女主人への支払い」は裕福な服装の男性が酒場と思われる場所で女性に支払いをしているという「俗」な作品です。残念ながら絵葉書はありませんでした。
 他にも酔っ払った人々の乱痴気騒ぎを描いたヤーンステンの作品、白い球で縁取られた帽子をかぶった裸婦が描かれているクラナッハの「パリスの審判」もありましたが、絵葉書はなかったです。次回もこの展覧会の作品を紹介します。
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