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片岡球子 面構(歌川国芳)

 先週の金曜日の会社帰りに都立美術館で開催の「日本美術院再興100年特別展 世紀の日本画」の後期展示を見に行きました。
 まえまえから見たかった手塚雄二の作品を見れたのは収穫でした。横山大観の「無我」はちょうど息子は立って歩き出したので感慨深いです。守屋多々志の「無明」という作品が放つ独特な侘しさは一見の価値ありです。そんな充実な展覧会でしたが、今回紹介するのは私が特に薦めたい「片岡球子 面構(歌川国芳)」です。

2014年03月16日21時44分05秒0001

 片岡球子の作品は、この展覧会に多数出展されている小倉遊亀のような女性らしい柔らかさ、上村松園のような貴品はなく、かわりに豪快さがあります。この豪快さが魅力であることは言うまでもありません。豪快であるがため、描かれている人物の息遣い・精神が理屈抜きで伝わってきます。

 この作品は歌川国芳が作品を仕上げた瞬間を描いたものですが、左側の画中画の女性もまた生き生きとており、どちらが作者で、どちらが作品かわからないくらいです。作品を仕上げることは作品に命が宿った瞬間といえます。この作品を選んだ理由は、歌川国芳が作品に命を吹き込んだ最高の瞬間に立ち会えた喜びを感じるからです。是非ご覧ください。

 ※ 次の記事もどうぞ!!
 後期展示の目玉は狩野芳崖の「悲母観音」ですが、以前にも紹介したことがあります。(こちら) 
 橋本雅邦の「龍虎図屏風」も目玉ですが、三の丸尚蔵館が所蔵する同作品を紹介したことがあります(こちら
 前期展示については、こちらをご覧ください。
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